ヤクルト・上田、再びはい上がって声とバットでチームを盛り上げて

[ 2018年4月20日 10:00 ]

<神・ヤ>4回表1死満塁、阪神・藤浪から右前2点適時打を放つヤクルト・上田
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 今年のヤクルトベンチは声が出ていて雰囲気がいいと感じる。スポーツの試合で「声も戦力」という言葉をよく聞くが、その役割を率先して担っていたのが12年目の上田剛史外野手(29)だと思う。

 特に4月6日からの巨人3連戦(神宮)で3連勝した際、ベンチのムードは最高だった。試合後、宮本ヘッドコーチが「上田とかよく声を出している」と名前を挙げれば、野口バッテリーコーチも「ベンチはよく声が出ているよね。上田、奥村とか。自分も何球団か渡り歩いたけど、今までないくらい」と話していた。

 名前の挙がった上田に聞くと、「去年までは先頭に立って声を出すことはなかったんです」という。それが今年は試合中に声がガラガラになり、宮出打撃コーチがのど飴を用意してくれるほど。「僕の声で3点取ります!」と言った日もある。

 「琢朗さん(石井コーチ)がベンチで凄く声を出してくれるので、それにつられてというのはあります」

 広島から加入した石井打撃コーチがベンチで大声を張り上げている影響もあると言った。「(巨人戦の前のカードの)広島戦で死球を当てられて、チームも燃えていた感じがあった。さらに菅野といういい投手が相手だったので…」。6日は16年3月以来、8連敗中だったエース菅野が相手でチーム一丸で向かっていく雰囲気もあった。上田はそのあたりから声を出すようになったという。

 「もしチームにいい効果になっているならうれしいです。負けている展開でも、もう一回跳ね返したるみたいに元気を出して盛り上げられたら。青木さんが来て、チームは戦う集団になっている気がしますし」

 宮本ヘッドコーチ自らキャンプから声を出し、野手最年長の青木もベンチで大きな声を出している。上田はオフの自主トレを何年も都内で青木と行い、その背中を追い続ける。外野の枠の争いもし烈で、15日に出場選手登録を抹消されたが、ぜひはい上がってほしい選手の一人だ。もし率先して声出し役をやっていた選手が打てば、チームはもっと盛り上がるだろう。1日も早く1軍に帰ってきて、声とバットでチームを盛り上げてほしいと思う。(野球コラム・細川 真里)

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2018年4月20日のニュース