広島 今季初5連勝!9回2死無走者から追いつき延長12回劇勝

[ 2018年4月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―4ヤクルト ( 2018年4月19日    マツダ )

<広・ヤ>延長12回、サヨナラ打の下水流(左から2人目)はナインから水をかけられる
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 広島は19日のヤクルト戦で延長12回2死二塁から、下水流が自身初のサヨナラ打で勝利をつかみ取った。9回には2死無走者から田中、菊池の連打で同点に追いつく驚異の粘り。負ければ首位陥落だった一戦で、今季リーグ最長の4時間56分という激闘を制した。これでチームは今季初の5連勝。貯金も今季最多の6とした。

 最後の最後で伏兵がヒーローの座を奪った。延長12回2死二塁。下水流が放った打球は右中間を破り、サヨナラの走者が生還した。

 打席では冷静に相手投手・風張の傾向を分析していた。「変化球が多かったので、スライダー1本に絞っていました」。殊勲のお立ち台。「最高でーす!」と2度絶叫した。

 この日の右翼の先発には、バティスタが座った。鈴木は代打で昇格後初出場を果たした。ライバルは1軍へと戻り、自らの出場機会は目に見えて減っていた。10回の守備からの途中出場。11回先頭での第1打席は空振り三振に倒れた。一度失ったアピールの機会は、勝負を決する最高の場面で巡ってきた。

 「(ライバルのことは)あまり考えていない。与えられたところでやれるかどうか。他のことを考えると、自分のやれることもできなくなってしまう」

 この劇打は、絶体絶命でみせた反発力から生まれた。9回2死無走者。あと1死で首位陥落という瀬戸際から「タナキク」が魅せた。

 田中が守護神・カラシティーの152キロ直球を中前にはじき返して出塁すると、続く菊池の3球目に二盗。失敗なら試合終了の場面で、勝負をかけ成功させた。2死二塁。懸命につないだ好機に、菊池が「必死にいきました!」と執念で右中間を破る同点打を放ち、延長戦に持ち込んだのだった。

 劇的な1勝に緒方監督は「全員で勝ち取った勝利。最後に打った下水流も大したものだけど、広輔が厳しいところで盗塁して、キクも打ってくれた。執念が勝ちにつながったと思う」とナインを褒め称えた。これでチームは5連勝。がっちりと首位を守るとともに、貯金を今季最多の6とした。

 ヒーローの下水流も「これがカープの強さ。チームの勝利だと思う」とうなずいた。ベンチ入り24選手を全員起用した総力戦。チームの雰囲気をさらに高める、一丸でつかんだ1勝となった。(河合 洋介)

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