侍J、東京五輪へ金の卵 “稲葉チルドレン”松本&上林が連勝呼んだ

[ 2018年3月5日 05:35 ]

侍ジャパンシリーズ   日本6―0オーストラリア ( 2018年3月4日    京セラD )

勝利のハイタッチの輪に向かう(左から)秋山、松本、上林
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 侍ジャパンは4日、オーストラリア代表との強化試合第2戦を行い、6―0で大勝し2連勝を飾った。松本剛外野手(24=日本ハム)が2安打3打点、上林誠知外野手(22=ソフトバンク)も先制打含む2安打と稲葉篤紀監督(45)が代表に抜てきした「稲葉チルドレン」が躍動。2020年東京五輪での金メダル獲得へ、初めて年齢制限なく編成して臨んだ試合で収穫を手にした。

 連勝に導いたのは稲葉チルドレンだった。24歳以下か、プロ3年目以内の若手で臨んだ昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップに続き招集された2番・松本が2安打3打点。トップチーム初陣を最高の形で飾った。

 「代表でもチームに戻っても自分の生きる道を考えたい。2番なので、安打より最初の2打席が良かった」

 4、6回の連続適時打よりも、初回先制点を呼ぶ投前犠打(結果投失犠打)と2回の右犠飛を喜んだ。「打撃練習を見ていてもファンのような目線で見てしまうところが正直ある」という24歳。打席だけでなく、6回からは守備位置を一塁から左翼へ変更。登録人数が制限される五輪本番で必須のマルチの能力をしっかり示した。

 昨季初めて1軍の規定打席に達した。初招集だった昨年11月は主に中堅手として10打数4安打2打点でベストナインに選ばれ、年齢制限のない今回の抜てきにつなげた。「バントや進塁打など、このメンバーの中での役割を理解している。チームに帰っても続けられれば、ジャパンでつながりを求める場面で必要な選手になる」と稲葉監督も評価した。

 初戦と同じ柳田、筒香、浅村のクリーンアップが無安打。誤算を救ったのは、先制打した野手最年少22歳の6番・上林も同様だ。初回2死満塁で俊足を飛ばしての投前適時打で1点をもぎ取った。パンチ力も備え、打撃フォームがそっくりで「稲葉2世」と呼ばれ、指揮官が掲げる「スピード+パワー」を体現。延長10回に3点勝ち越された直後に3ランを放った昨年11月16日の韓国戦に続き、道を開いた。

 20年東京五輪の金メダルへ、残り2年半でチームの結束と若手の底上げが大前提。稲葉監督は「まだ今年いっぱいは若い選手を試せる時期」と気持ちを強め、こう言い切った。

 「選考は今回の選手たちが軸。見たい若手が出れば呼ぶが、とにかく今日のこのチームを土台にやっていく」

 種まきは終え、指揮官のイズムも浸透し始めた。11月には日米野球、来年はプレミア12が待つ。アピールが必要な若武者たちが必死に刻んだ結果は、稲葉監督にだけでなく、全国のファンにも頼もしく映ったに違いない。 (後藤 茂樹)

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2018年3月5日のニュース