巨人・沢村、大台連発!1球退場から1年 剛球健在アピール

[ 2018年3月5日 05:30 ]

オープン戦   巨人8―1ヤクルト ( 2018年3月4日    東京D )

7回から登板し3者凡退に抑えた沢村
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 右肩痛からの復活を目指す巨人・沢村拓一投手(29)が4日、ヤクルト戦の7回に登板し3者凡退に抑えた。昨年3月4日の日本ハムとのオープン戦で、1球で危険球退場となって以来、1年ぶりの1軍戦登板。最速153キロを含め150キロ台を連発し、高橋由伸監督(42)も今後の1軍帯同を示唆。開幕1軍、その先の守護神再奪取へ、確かな一歩を踏み出した。

 感情が一気に高ぶった。沢村はベンチに引き揚げると、斎藤投手総合コーチから「お帰り」と声を掛けられた。

 「こみ上げてくるものがあった。1軍で投げられたということに対して、携わってくれた人に感謝したい」

 昨年3月4日に1球で危険球退場。その後右肩痛を訴え、11年のプロ入りから初めて1軍登板がなかった。昨年9月には故障の原因が球団トレーナーによるはり治療での施術ミスの可能性が高いとして、球団から謝罪も受けた。くしくも1年後の同日の登板。「力むな、と思っても無理。力み倒してやろうと思った」と割り切った。

 先頭の畠山に対しての初球。152キロ直球で、観衆をどよめかせた。152キロで右飛に打ち取ると、続く山崎には胸元への最速153キロで空振り三振。中村には152キロで遊ゴロにねじ伏せた。

 15球中13球が直球。指先にひっかかった山崎への4球目を除き、12球が150キロを超えた。高橋監督は「2月にブルペンで良いボールがいってたし、非常に期待したい」と称えた。本来は登板後に再び2軍で調整する予定だったが、指揮官は沢村の1軍帯同について「そうなると思う」と見通しを口にした。

 昨秋のキャンプから投げ込み続けた。「力感を出したくない」と、キャッチボールをする感覚で、強い球を投げることを理想に掲げてきた。「名伯楽」と呼ばれる小谷2軍投手コーチから下半身の使い方などの助言を受け試行錯誤を重ねた。巡ってきた今季初実戦となる1軍マウンド。それでも「(小谷コーチへの)恩返しは優勝して成績残した中で言おう」と決めている。

 昨季はマシソン、カミネロにつなぐ「7回の男」不在もあり、11年ぶりのBクラスに沈んだ。カブスからFAとなっている上原も獲得すれば、中継ぎ枠は競争が激化する。村田ヘッドコーチは「沢村が良かったら、順番が変わるかもしれない」と話した。守護神返り咲きの可能性すら感じさせる内容だった。

 「(マシソン、カミネロの)2人の前に入っていけるようにアピールしたい」。16年のセーブ王が勝利の方程式に加われば、チーム力は格段に上がる。 (池田 翔太郎)

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2018年3月5日のニュース