大和ビックリ“超レア弾”プロ通算3本目「入ると思わなかった」

[ 2017年7月29日 08:30 ]

セ・リーグ   阪神5―0中日 ( 2017年7月28日    ナゴヤD )

2回無死、大和が左越えに1号先制ソロを放つ
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 阪神は28日の中日戦(ナゴヤドーム)に5―0で勝利し、真夏の長期ロード初戦を飾った。打の主役となったのは大和内野手(29)で、2回にバルデスから右打席で今季1号の先制ソロ。6回には左打席で中前打するなど、3安打猛打賞の活躍だった。同率だったDeNAの試合がなかったため単独2位に再浮上した。

 歓声よりどよめきが大きかった一発。最も驚いたのは他でもない、大和本人だった。「しっかり捉えることができましたが、入るとは思いませんでした。打った自分がびっくりです」。予想以上、最高の結果だった。

 0―0の2回先頭で迎えた第1打席だ。フルカウントからの内角直球に体を回転させて捉えると、打球は悠々、左翼席まで届いた。粘りや逆方向への打撃を意識するカウントであるにもかからず、バルデスの速球を引っ張りこんだ。

 片岡打撃コーチをして「真っすぐをしっかり仕留めてくれた。大和は本当に状態が良い」とうならせるほど。昨年5月5日の中日戦以来となるプロ12年目での通算3号は、意外にも今季、チームのナゴヤドーム第1号でもあった。

 好相性も健在だった。4回に右前打、6回には2番手の祖父江から左打席で二塁の左を抜く中前打を放ち、12日の同戦以来、シーズン2度目の3安打を記録。これで今季の中日戦は、23打数11安打の打率・478だ。

 「なぜなのかはわからないけど、左を始めてから、右も良い感覚で振れている」

 左打ち挑戦から4カ月が経った春の安芸キャンプで、大和はそう漏らしていた。試合後も「自分でもよくわからない」と苦笑いだったが、一般的に球技は利き腕、利き足のある半身の筋肉を偏って使うことが多い。そのため逆側の筋肉を使うことで、よりバランスが保たれるという説がある。そんな思わぬ“副産物”も、好調の要因だろう。 

 今年1月に初めて鳥谷と自主トレを共にした。「練習量のすごさが本当に分かった」と振り返る2週間。練習開始時間に行くと、鳥谷はすでに汗ばんだ状態だった。「(鳥谷は)人一倍練習量が多いとか言われるけど、それは人が見ているところでやっている時間だけだと思う。全部勉強になった」。夏場にさしかかった今、その鳥谷に負けず劣らずの存在感を放っている。

 昨季は「超変革」の影に隠れつつあった。背水の覚悟で臨んだ今季。切実な思いが結果に直結している。(巻木 周平)

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2017年7月29日のニュース