石川 球団史上最年長の37歳開幕白星「今回で最後と思って」

[ 2017年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト9―2DeNA ( 2017年3月31日    神宮 )

<ヤ・D>ライトスタンドのファンの声援に応える石川
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 流れが変わるかもしれない。百戦錬磨のベテラン、ヤクルト・石川は察知していた。最大のヤマ場は6回2死。2ランで1点差に迫られて、4番の筒香を迎えた。

 「2アウトからでも点を取るのがベイスターズ。ズルズル行かないように何とかしたかった」

 前2打席も踏まえて外角一辺倒で攻めた。2ボール2ストライクからの5球目。カットボールが外角いっぱいに決まり、見逃し三振を奪った。「狙い通りですね」。力強く拳を握った。反撃の芽を摘んだ相手打線を9回まで沈黙させた。

 昨年は8勝止まり。「何か変えないといけないと思った」。オフには投球フォームを変える決断を下した。YouTubeでレンジャーズ・ダルビッシュやヤンキース・田中らの動画を見た。左右も、時代も関係ない。メジャーの外国人投手や元巨人・江川卓の映像なども見て参考にした。新フォームは「3月途中のオープン戦からしっくりきた」。変えたのは「間」。より下半身の力が上半身に伝わるようになった。直球の球速は130キロ台でも芯を外す。この試合でも初回、2回に併殺打。「あれで乗っていけた」。石川らしい高度な投球がよみがえった。

 昨年は投手陣が不振でリーグ5位。石川は「今年は投手で勝ったと言われたい」とコーチ陣とともに投手陣を束ねてきた。真中監督も「走者を出しながら、石川らしい投球だった」と絶賛。試合前から降り続く雨の中で力投を続けた。左ふくらはぎをつって6回2失点で降板したが、次回登板に影響はなさそうだ。

 81年の松岡の33歳を大幅に更新する球団史上最年長37歳での開幕勝利で自身開幕戦5勝目。「今回で(開幕投手は)最後と思って投げた」。スタンドには2人の愛息の姿もあった。エースとして父として。手本になるような石川の投球が、開幕戦勝利を呼び込んだ。 (川手 達矢)

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2017年4月1日のニュース