虎の糸井 いきなり猛打賞3打点!62年ぶり爆勝発進

[ 2017年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10―6広島 ( 2017年3月31日    マツダ )

<広・神>3回無死一、二塁、左中間に適時二塁打を放った糸井はガッツポーズ
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 阪神は敵地・マツダスタジアムで昨季リーグ王者の広島と対戦し16安打で10得点を奪い乱打戦を制した。開幕戦での2桁得点は1955年大洋戦で記録した12得点以来、62年ぶり。歴史的勝利を呼んだのは新加入した糸井だった。虎のデビュー戦で2本の適時打を含む3安打3打点。今年の猛虎をけん引するのは、やはりこの男しかいない。

 「やっぱりいろんな意味で大事な試合だったので、活躍できて良かったです。(2本の適時打に)やっぱり応援が熱いですし緊張したけど必死で振り抜いてタイムリーになって良かったです」

 昨季は3勝を献上しチーム打率・197に封じられた広島・ジョンソン相手に存在感を発揮した。初打席は四球に終わり迎えた3回の第2打席。無死一、二塁からカットボールを左中間へ弾き返した一打はワンバウンドで左中間フェンスに達する適時二塁打。「すごい投手なので、若いカウントからいこうと思っていた。追加点を取るんだという強い気持ちで打席に入った。うまくとらえられて良かった」。阪神での初安打はリードを広げる貴重な一打となった。

 続く4回1死三塁ではツーシームを引っ張り、一塁線を破る適時打。オリックス在籍時の15年交流戦では3打数無安打に抑えられた左腕に対し雪辱した。1死一塁で迎えた7回の5打席目は左前打でチャンスメーク。いきなりの猛打賞という暴れっぷりだ。

 昨オフに阪神移籍を決断し開幕からのフル回転を期して年始のグアム自主トレでも懸命に汗を流した。15年にトリプルスリーを達成したソフトバンク・柳田や同僚となった今成ら年齢的にも脂の乗った後輩選手がトレーニング仲間だった。「去年は体を酷使したこともあったので、とにかく休めよう」という狙いでトレーニング内容はランニングや軽めのウエートトレーニング程度。それでも糸井の練習強度は周囲のはるか上を行った。ベンチプレスでは100キロ超の重さを軽々あげ、周りから“年末も休んでなかったでしょ”と言われるほど。フリー打撃での飛距離は柳田をしのぎ、柳田は「ありえない。すごすぎます」と舌を巻いたという。

 「まあ年は30代半ばやけど。気持ちは常に若く。まだまだ負けへん、という気持ちはもちろんあるよ」。常に年齢を感じさせない躍動感あふれる全力プレーが信条。帰り際には「明日も頑張ります」とすでに次戦を見据えた。記念すべき1勝で最高の船出を切った「阪神・糸井」がスタートダッシュ成功へと導く。(久林 幸平)

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2017年4月1日のニュース