中田“あっぱれ”もらう!張本さんからWBC5発指令

[ 2017年2月21日 05:30 ]

張本勲氏が見守る中、フリー打撃で鋭い打球を飛ばす中田
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 世界一奪回&日本一連覇で“あっぱれ”だ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本ハム・中田翔内野手(27)が20日、沖縄・名護キャンプで本紙評論家の張本勲氏(76)から熱い激励とともにビッグなノルマを課せられた。WBCで「打率3割&本塁打5本」、シーズンでは「打率3割2分&本塁打45本」。フリー打撃の際には直接アドバイスも受け、ノルマ達成に意欲をのぞかせた。

 フリー打撃を終えた後だった。打撃ケージの後方にいた中田は張本氏に呼ばれた。「世界一になれよ。頼むぞ」。侍の主砲としてWBCへの熱い激励。その別れ際、中田は小さな声で「あっぱれ」とつぶやいた。

 WBCでも、シーズンでも、同じ故郷・広島の偉大な先輩からその言葉をもらいたい。そんな思いが小さな声になって表れた。「今日は“あっぱれ”をもらってよかったです」。冗談めかしてそうも言ったが、実際は違った。本当にもらったのか、という報道陣の問いかけに「言うわけないやろ」と一言。ただ、シーズン後には「大あっぱれ」をもらうつもりだ。

 予兆はある。構えのときに右肘を上げることを意識して臨んだフリー打撃。「右肘の“抜け”が悪かったので試した」というフォームで、鋭い当たりを連発した。計31スイングで柵越えは3本ながら、張本氏から「ここ5、6年見ている中で一番いいぞ」と褒められたのだ。入団以来、目をかけてくれる先輩から常に指摘されてきたのは、(1)ステップの幅が広すぎる、(2)打ちにいくときにグリップが動く(下がる)の2点。この日も改めて言われた最重要課題が修正されて、理想に近い打撃フォームでスイングできていた。

 張本氏は言う。「ステップが広すぎると膝(中田は左膝)に余裕がなくなって力をロスし、応用も利かない。強い球を打つにはもっと狭くしないと。グリップも上下するとバットが波を打って正確性を欠く」。それがこの日はステップが小さめになり、右肘を上げることでグリップも動かなかった。「私がいたので意識したのか、静かに打っていた。いいねえ」。そう話すと、WBCで打率3割&5発、シーズンは打率3割2分&45発をノルマとして課した。

 WBCのためにハイペース調整してきた中田。左手首痛の影響もあって実戦で10打席無安打と結果が出ていない。しかし、張本氏は「中田は器用だから、外国人投手の動くボールにも対応できる。侍ジャパンでは5番で勝負強さを見せてほしい」と期待を寄せた。もちろん、中田も分かっている。「それ(ノルマ)を打ったら凄いよね。でも、そういう評価をしてもらえるのはうれしい。結果を残して(シーズン後に)お礼を言いに行きたい」

 世界一奪回&日本一連覇へ。中田は、侍ジャパンの、日本ハムの主砲として「大あっぱれ」の猛打を見据えていた。(秋村 誠人)

 ≪最多は李スンヨプの5本≫WBCの1大会個人最多本塁打は06年の韓国・李スンヨプで、7試合で日本戦の1本を含め5本を放った。次いで06年のドミニカ共和国・ベルトレが4本。日本代表では、06年の多村が3本打ったのが最多。13年の中田は7試合中6試合に先発出場し、21打数6安打、26打席で本塁打はなかった。

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2017年2月21日のニュース