【キヨシスタイル】大谷不在を結束の起爆剤に!頑張れ侍ジャパン!!

[ 2017年2月21日 10:05 ]

 プロ野球のキャンプは終盤を迎え、いよいよ23日から宮崎で侍ジャパンの合宿が始まる。投げて打って別次元の二刀流、大谷(日本ハム)を欠くことになった3月のWBC。「和」を重んじる日本野球の真価が問われる大会になると思うね。

 存在感のある選手がいなくなった分をカバーするのは結束力。個々で戦うんじゃなく、束になって相手にかかっていく。投手も野手も「大谷がいないから」なんて言われたら悔しいもんね。大谷不在を結束の起爆剤にする。キャンプ地で侍戦士に接して、そんな雰囲気を感じ取った。

 今や「侍ジャパン」はすっかり定着している。WBCに出るトップチームから社会人、大学、U―18、U―15、U―12、女子の全てのカテゴリーで世界最強を目指す日本代表の呼称。野球選手の誰もが「入りたい」と憧れる存在で、プロ12球団の協力態勢もまとまってきている。

 病に倒れた長嶋監督に代わって私がヘッド兼打撃コーチとして指揮を執った2004年のアテネ五輪。シーズン中ということもあり、選手選考は各チーム2人ずつと決められた。そんな制約を受けてチーム編成を進める中、ある球団の監督にある選手の出場を要請したら「おまえのところ(五輪代表)に出すくらいなら病気にさせてやる」と言われた。自分のチームのことしか考えていないのだ。悲しかった。

 今は人数的な制約などないし、どの球団も協力的。誰かが駄目でも慌てることなくバランスのいいチーム編成ができるようになっている。大谷の代わりに追加招集された武田(ソフトバンク)が「準備してました」と受け入れたのは小久保監督もうれしかったんじゃないかな。最終メンバーから外れても、侍ジャパンの一員として気持ちは切らさない。一人一人のこんな思いがチームをまとめていくんだ。

 今回は他国も力を入れてきているからね。東京ドームで行われる1次、2次ラウンド突破も簡単じゃない。つながり、まとまりで突き破ってほしい。最後に私の推奨オーダーを。

 頑張れ侍ジャパン!!(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

◇キヨシ推奨オーダー◇6坂本勇 9青木 4山田 7筒香 D内川 3中田 5松田 2大野 8秋山

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2017年2月21日のニュース