【球団トップに聞く】楽天・立花社長 試合がない日も人が集まる“パーク”目指す

[ 2017年1月20日 11:00 ]

球団トップに聞く!楽天・立花陽三球団社長(上)

「チャレンジしないと面白くない」と貪欲な姿勢を見せる楽天・立花陽三社長
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 昨季、3年連続Bクラスに終わった楽天だが、観客動員数は球団史上最多の約162万人を記録した。12年8月に就任した立花陽三球団社長(46)は本拠地球場のKoboパーク宮城に観覧車を設置するなど尽力。さらなる発展のための展望を聞いた。

 昨季、スタジアムは大きく変貌を遂げた。人工芝から天然芝への張り替え。左翼席後方には球場内を一望できる観覧車がお目見えした。その効果も手伝って、観客動員は15年の152万4149人から約10万人増の162万961人となった。それでも、まだまだ道半ばだ。立花球団社長は「お客さまに遊んでいただく時間は凄く増えたので、試合日のボールパークとしては一歩進んだ。でも、我々が目指しているのは、試合がない日にも来ていただくこと。そういう意味ではスタート地点にやっと立てた」。今年1月にKoboスタ宮城からKoboパーク宮城に愛称(正式名称は楽天Koboスタジアム宮城)も変更。動物園や水族館など、休日に足を運ぶ場所の選択肢の一つとなることが理想だ。

 もちろん、試合日の観客増も重要だ。昨季、本拠地での最高は8月14日、日本ハム戦で記録した2万6795人。他球場を含む主催試合の平均は2万2513人だった。「今後3〜5年の間に3万人にしたい。仙台では多いだろうという意見もあるが、チャレンジしないと面白くない」。新たな試みも模索中だ。

 たびたび訪れる米国で多くのものを得ている。大リーグやNBAなどの会場を視察し、学んだのはサービス。「バスケットボールの試合に行くと、彼らは1〜3分の作戦タイムでも、絶対に(観客を楽しませる)何かをやる。飽きさせないための努力をしている」。アメリカンフットボールの会場では、需要と供給のバランスによって座席料を変化させている。「年間シートは、一番端の席と真ん中の席と当然、値段を変えている。試合のカードによっても変えている。その席からお手洗いに何分で、何歩で行けるかというのも全部、マップに書いてある。そこまできめ細かにやってサービス。我々は、それを目指している」。ハード、ソフト両面で顧客満足度を上げて、動員増へとつなげていく考えだ。 (黒野 有仁)

 ◆立花 陽三(たちばな・ようぞう)1971年(昭46)1月10日、東京都生まれの46歳。成蹊高から慶大総合政策学部に進学。大学時代はラグビー部でSOとして活躍。卒業後、94年にソロモンブラザーズ証券に入社。その後、ゴールドマン・サックス証券を経て、10年にメリルリンチ日本証券に入社。11年に同社常務執行役員に就任。12年8月に楽天野球団の代表取締役社長に就任した。

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2017年1月20日のニュース