金本監督 ドラ1大山は今岡タイプ「慣れと強さが付けば打つよ」

[ 2017年1月20日 08:10 ]

持久走で目の前を走る大山(手前)を見つめる金本監督
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 大山は今岡タイプ!阪神・金本知憲監督(48)が19日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場を電撃視察した。指揮官は初めて目にしたドラフト1位・大山悠輔内野手(22=白鴎大)の打撃にホレ込み、「柔らかい」「対応力がある」と絶賛。その上で「タイプは今岡に似ている」と今岡真訪2軍打撃兼野手総合コーチ(42=誠から登録名変更)の現役時代を引き合いに出し、大きな期待を寄せた。

 将来の主砲候補・大山への期待は、この日で一層、大きく膨らんだ。初めて、自らの目で大山の打撃をチェックした金本監督。その打撃スタイルに、一人のV戦士の影を見いだしていた。03年は打率・340で首位打者を獲得し、05年も147打点で打点王に君臨。直近2度のリーグ優勝に大きく貢献した今岡だ。

 「(打撃を見たのは)本当、初めて。スイングの完成度とかは、まだまだ今から覚えることがいっぱいあるけど、柔らかい。聞いている通り、実戦向き。対応力がありそうな感じ。『今岡さん』に似とる。タイプとしてはね。フワ〜ンとして、シュッと振るところとか。もう少し下半身がドッシリしてきたら打率も上がるし、飛距離も飛ばせると思うね。まだ体の強さがないけど、強さは今から付けるから」

 昨秋のドラフトで下した決断が間違いではなかったことを、第一印象で確信した。この日は室内練習場で約30分、マシン相手の打撃練習を視察。「伸びしろがある。(今後は)彼次第だね。対応力もあるし、慣れと強さが付けば打つよアレ」。その素材に目を奪われ、将来性に心も奪われた。

 だから、理想も高くなる。「それ(理想的な成長タイプ)はもうクリーンアップ。ウチに必要なね。生え抜きで30本打った選手が30年くらい、いないんだから。今岡が29本か…。ずっと何年も続けて20〜30本打つ打者が出ていない。そういう意味でも大きく育てたい。可能性は持っていると思う」。さらに感覚の部分でも、天才肌と言われた今岡との類似性を指摘。「いい感覚を持っているから、彼の持ち味を引き出しながら最低限のことを教えていけば。本当、今岡に似ている。足の上げ方とか。案外、感覚派で何も言わない方がいいかもしれない」。賛辞とともに笑みもこぼれた。

 当の大山は自らに熱視線を注ぐ「指揮官の目」に多少の緊張があったもよう。「いつもより多少は緊張感があったと思いますが、しっかり良い練習はできたと思います」と振り返り、「今岡さんに似ていると言われたことはないです。正直、まだまだ自分はそんなレベルの選手ではないので。プロ野球生活を送る中で少しずつ追いつくことができればと思います」と謙そんしながら前を向いた。同じ右打者で主に二、三塁を守る守備位置も同じ。チャンスに無類の勝負強さを発揮した「今岡」の背中を、大山が追う。 (惟任 貴信)

 ▽今岡コーチの現役虎戦士時代 03、05年2度のリーグV時の主力選手。入団6年目の02年に星野監督の下で打撃の才能を開花させると、03年は1番で5本の初球弾を含む7本の初回先頭打者本塁打をマーク。打率・340で93年オマリー以来チーム10年ぶりの首位打者となった。05年は全試合先発5番で不動の4番・金本を支え、得点圏で打率・371、15本塁打。特に満塁機では打率・600、4本塁打の勝負強さで打点を量産。50年藤村富の146打点を超える球団新147打点で打点王に輝いた。

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