野村よ251勝東尾を追え!有藤氏が頭脳派右腕にエール

[ 2016年12月14日 05:30 ]

2016プロ野球最優秀バッテリー賞

社団法人電池工業会・淡路谷専務理事から表彰される野村
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 広島・野村は真剣な表情で、大先輩の話に聞き入った。バッテリー賞選考委員の有藤通世氏(スポニチ本紙評論家)から大投手としての素質を認められた。「野村君の投球は東尾タイプ。彼は251勝した。ぜひ、それぐらいの数字を残せるように頑張ってほしい」と激励され、野村が進むべき道を照らしてくれた。

 150キロを超えるような剛球はない。両リーグで規定投球回に到達した投手の中で91奪三振は最少。駆け引きを制し、抜群の制球力で凡打を築く。「1年間、ローテを一度も飛ばすことなくマウンドに立てたことは自信になった」。東尾修氏(本紙評論家)と同様の頭脳的な投球スタイルで、今季の野村はリーグトップの16勝を積み重ねた。

 だが、笑顔も一瞬だけ。25年ぶりリーグ制覇の原動力となったが「1年では意味がない」と気を引き締める。「石原さんは調子のいい時と悪い時でリードも構え方も変えてくれる。いい時はコース、悪い時は大胆にという感じ」。最多勝、最高勝率の2冠は女房役・石原のおかげと感謝する。

 どこまでも謙虚な右腕の姿に、有藤氏は「東尾は性格が悪いが、彼は性格がいい。だから250まで行くか分からんが…」と続けて爆笑を誘った。それでも、石原は「試合が始まったら(野村は)ひょう変する。負けず嫌いを前面に押し出して投げている」と証言する。プロ5年で49勝の野村が通算251勝の東尾氏のような活躍を続ければ、広島に黄金期が到来する。(桜井 克也)

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2016年12月14日のニュース