ロッテ涌井 球宴ゼロの意地!完投 5人選出ソフトB斬り

[ 2016年6月28日 05:55 ]

<ソ・ロ>ソフトバンク相手に完投し7勝目の涌井

パ・リーグ ロッテ9―6ソフトバンク

(6月27日 東京D)
 東京ドームのロッカー室から出てきたロッテ・涌井は開口一番に「今日はコメントなし、なし」。135球を投げ切り、完投で7勝目。首位ソフトバンクとの直接対決を制したが、「こんなもんだ」と自虐的に笑い飛ばした。

 9回12安打6失点は涌井らしい数字ではないが、最後までマウンドに仁王立ちした。「意識しないわけがない」という1、2位直接対決。石川と登板順を変え、ここを任された。9点差の7回に中村晃の右中間適時二塁打などで2点を失っても、伊東監督に「一人で行きます」と直訴した。

 乱打戦が続いた前カードの西武3連戦で中継ぎ陣が疲弊。9回に5安打で4点を失ったが、降りる気はなかった。「(守護神の)西野が(肩を)つくっていたって言っていた」と周囲を笑わせたが、若い投手陣への気遣いはエースの証だ。

 今季ローテーション入りした高卒3年目の二木が勝てないとき、「暇なときに読め」と岩隈久志(マリナーズ)の著書「あせらない。空を見て大きく深呼吸をしよう」を渡した。岩隈がケガで苦しんだ経験が記された本で、若い二木に苦難を乗り切るヒントを与えた。

 球宴ファン投票選出は楽天と並び0人。それでも最多の5人選出のソフトバンクを倒せる。この試合で涌井を中心に証明した。伊東政権下では13年6月5日に並んで最多の貯金14。ゲーム差は6・5に縮まった。「球宴までに3ゲーム差なら(逆転優勝も)見えてくる」。涌井は力強く言い切った。(君島 圭介)

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2016年6月28日のニュース