球児 火の玉復活へ大台150キロ出た 矢野コーチ「雰囲気出てきた」

[ 2016年6月21日 05:30 ]

<神・オ>3勝目の藤川(左)はおじぎするドリスに笑顔

交流戦 阪神2―0オリックス

(6月20日 甲子園)
 ついに「火の玉ストレート」が大台に乗った。8回2死。カウント2ストライクから糸井に投じた阪神・藤川の3球目が復帰後最速を計測した。場内の電光掲示板には「150」の数字が表示された。

 「(求められることは)結果だけなんで。ただ、もう終わったこと。終わったこと。また今後。(150キロは)もう無理だね」

 苦笑いで受け流した球速の話題。内角へ決めて強打の糸井を投ゴロに詰まらせた速球は単なる数字には表れない威力も兼ね備えていた。

 先頭打者の西野も全5球の直球勝負で右飛に押し込んだ。2人目の安達にも5球連続で直球を投げ込み、カウント2ボール1ストライクから連続して高めで空振りを奪った。往年を思わせる抑え方だった。打者3人を完璧に封じた快投は直後の原口の決勝弾も呼び込んだ。

 開幕当初は先発陣の一角を担いながら白星が伸びず、ブルペン強化を図る首脳陣の方針もあって5月から中継ぎへ転向した。5月18日の中日戦(甲子園)では日本では4年ぶりセーブを記録した一方、球速は140キロ後半まで戻りながらも150キロまでは出なかった。ただ、救援投手としての調整を進める中で「スピードはまったく気にしてないけど。いずれ(150キロは)出る」と手応えは感じ取っていた。

 救援15試合目で待望の大台を計測。長年、藤川の球を受け続けてきた矢野作戦兼バッテリーコーチも認めた。「空振りを取れたり、後ろへのファウルを打たせたり、1球で仕留められたり。ストレートの質は良くなっている。雰囲気は出てきた」。救援2勝目を挙げ、連敗阻止にも貢献。再開するリーグ戦では復活した火の玉に期待だ。 (山本 浩之)

 ▼阪神・岡崎(33歳の誕生日。8回から“抑え捕手”として勝利に貢献)(藤川さんは)だいぶんボールが強くなってきてます。(自分も)何とか、これを継続してやっていきたい。

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2016年6月21日のニュース