ロッテ二木 3年目開花の理由 大ピンチでの粘りは菅野以上

[ 2016年6月21日 12:30 ]

ロッテの二木

 ロッテの二木康太投手(20)が高卒3年目で開花。ここでは、新人王も狙える好成績の要因をデータから探ってみる。(記録課・志賀 喜幸)

 開幕から先発の一角に抜てきされると12試合で5勝。昨季まで入団2年間でわずか1試合登板、未勝利だった右腕が、チームでは石川の7勝、涌井の6勝に次ぐ勝ち星と飛躍を遂げている。初の交流戦でも3戦3勝。セ首位の広島から勝ち星を挙げるなど存在を大いにアピールし、大谷(日)らと並ぶ今季交流戦の最多勝利投手になった。

 目立つのは四球の少なさ。71回2/3、打者301人に対し12個に抑え、9イニングあたりの個数を表す与四球率は1.51。パの規定投球回到達投手の中では同僚・石川の1.43に次ぐ2位と無駄な走者を許していない。また、満塁や二、三塁など三塁上に走者を置いた場面にも注目。合計19人(15打数)と対戦し、許した安打はわずかに1本。被打率.067は、リーグ内にとどまらず、セ、パ規定投球回に達した35投手のトップで、2位菅野(巨)の.080(25打数2安打)を抑える驚異の数字だ。なお、唯一の被安打は4月5日ソフトバンク戦の4回無死満塁で中村晃に浴びた右翼線二塁打。以降は打者16人を無安打で、大ピンチでの粘りはどこまで続くか。

 二木は3年目ながら昨季までの投球回が5イニングしかなく、新人王資格(5年目以内、前年まで通算30イニング以内)がある。入団3年目以降の新人王投手は過去に64年高橋重行(大洋=3年目)、71年関本四十四(巨=4年目)、76年藤田学(南海=3年目)、02年正田樹(日=3年目)の4人だけ。二木が5人目の遅咲き受賞となるか注目したい。

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2016年6月21日のニュース