元西武・大塚監督 東北福祉大監督2年目で全国1勝

[ 2016年6月8日 05:30 ]

<東農大北海道オホーツク・東北福祉大>4回2死二塁、東北福祉大・井沢の左中間適時三塁打で生還した二走・楠本(左から2人目)を出迎える東北福祉大ナインと大塚監督(右端)

全日本大学野球選手権第2日 東北福祉大5―0東農大北海道オホーツク

(6月7日 東京ドーム)
 1回戦4試合、2回戦2試合が行われた。元西武の大塚光二監督(48)率いる東北福祉大は、東農大北海道オホーツクに5―0で完勝。大塚監督は昨年7月の監督就任後、全国初勝利を挙げた。中京学院大は今秋ドラフト上位候補・吉川尚輝内野手(4年)が4安打をマーク。桐蔭横浜大を3―2で下し、初出場で初の8強入りを決めた。中央学院大も6年ぶりの8強進出を果たした。

 勝利の瞬間、大塚監督はベンチの誰よりも雄叫びを上げた。投打がかみ合っての全国1勝。「ここで勝つことを目標に春からずっとやってきた。ほんと、めちゃくちゃうれしい」。言葉に力を込め、喜びをかみしめた。

 昨年7月に母校の監督に就任。11月の明治神宮大会に出場したが、初戦で桜井(現巨人)擁する立命大に0―1で敗れた。大会タイ記録の18三振を奪われての完敗だった。「秋の立命戦は関係ない」と言うが、実際は寮に当時の新聞記事を張った。今秋ドラフト候補の捕手で主将の長坂は「みんなあの試合の悔しさを持ってやってきた」。今年2月の米ロサンゼルス遠征には、早くも体を万全に仕上げてくるよう指令。レギュラーでも打てなければ先発から外すなど、プレッシャーをかけてタフさを養わせ、学年問わず実力優先の起用で競争をあおった。

 春のリーグ戦では10戦全勝の完全優勝。この日は日米13球団60人のスカウトが視察する中、プロ注目のエース城間が6回1安打無失点と好投し、長坂は好リードで計4投手による完封リレーに導いた。長坂は、打っても7回に公式戦3本目となる左越えソロを放ち「監督に白星をプレゼントしたかった」と喜んだ。

 多くのプロ野球選手を輩出し、2度の全国制覇を誇るが、今大会は3年ぶりの出場。名門復活を託された大塚監督は「エースと捕手、主軸は甘やかさなかったが、さすがの内容」と手放しで褒めた。2回戦はきょう8日、九州の強豪・九産大と対戦。「投手には連投は当たり前と言ってある。城間を投げさせる可能性もある」。歓喜の1勝から、目線は次の勝利へ向いていた。 (松井 いつき)

 ◆大塚 光二(おおつか・こうじ)1967年(昭42)8月26日、兵庫県生まれの48歳。育英から東北福祉大を経て、89年ドラフト3位で西武入団。01年の現役引退まで西武一筋12年で通算466試合で747打数193安打、打率・258。13~14年は日本ハムで1軍外野守備走塁コーチなどを務める。15年1月に学生野球資格を回復し、7月に東北福祉大監督に就任。1メートル80、78キロ。右投げ左打ち。

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