【吉村禎章の視点】菅野、ハム打線を支配した「押し込み」 初回、中田にオール速球

[ 2016年6月4日 08:41 ]

<巨・日>初回2死一塁、中田を空振り三振に斬る菅野
Photo By スポニチ

交流戦 巨人5―4日本ハム

(6月3日 東京D)
 巨人・菅野が初回2死一塁で4番・中田に対しての4球オール速球勝負が、2回以降の変化を可能とさせた。

 日本ハム打線は初回の3番打者まで、ストライクゾーンの直球にスイングしてきた。直球狙いの意図が明確に見える中で、好調の中田に対し、菅野は初球から小林誠のサインに首を振って直球を続けて空振り三振に仕留めた。主砲に対するこの「押し込み」が、より打者に直球を頭にすり込ませる要因となった。

 2回以降はスライダーでカウントを稼ぎ、さらに左打者にはフォーシームではなく、ツーシームを多投した。開幕から防御率0点台の菅野を支えているのは直球で、相手打線はその球の攻略を図ってくる。この2カ月間とは違った組み立てで抑えたことは、今後に向けて収穫だろう。対戦の少ない相手に慎重になり、球数は増えたが、リーグトップのチーム打率を誇る打線を封じた投球は、難攻不落な投手だという印象を他球団にも植え付けるはずだ。

続きを表示

2016年6月4日のニュース