阪神・岩貞 大炎上自己ワースト9失点KO「あの失投は…」

[ 2016年6月4日 05:30 ]

<神・西>3回2死、岩貞はメヒアに満塁弾を浴びガックリ

交流戦 阪神3―12西武

(6月3日 甲子園)
 阪神は3日の西武戦(甲子園)で、今季ワーストの12失点の大敗を喫した。戦前まで、今季金曜日の登板は4試合3勝0敗、29イニング自責0(失点1)と無敵を誇った先発・岩貞祐太投手(24)が、まさかの5回2/39失点KO、救援陣も失点を重ねた。チームの連勝は2でストップ。勝率も5割に逆戻りしたが、4日の同戦で巻き返す。

 交代を告げられた瞬間、岩貞はスコアボードに刻まれた屈辱の数字をにらみ付けるように、じっと見つめた。自己ワーストの9失点。悔しさを押し殺すように唇を固く結び、うつむき気味にマウンドを降りた。

 「(際どいコースのボール判定に)そこは、ちょっと苦しいところがありましたけど。4番相手に、あの失投はいけなかったと思います…」

 発端は四球だ。3回2死、秋山へのフルカウントから6球目、142キロ直球は、わずかに低めに外れた。次の金子侑に左前打を許して一、二塁。そして、栗山へのフルカウントから7球目が運命を分けた。外角いっぱいに自信の143キロ直球を投げ込んだ。見逃し三振を確信した本人はベンチへ引き揚げかけていた。ところが、ボールと判定された。

 「多少は(影響が)ありました」

 完全には気持ちの整理がつかないまま戻ったマウンドで最悪の失投を犯した。メヒアへの2球目、144キロ直球が真ん中に甘く入る。原口の構えるミットはインコースを要求していた。完璧に捉えられ、左中間スタンドへの満塁弾。両手を膝について崩れ落ちた。

 前回登板の5月27日巨人戦は球界を代表するエース・菅野に投げ勝ちプロ初完封。今季金曜日の登板は、4試合で3勝0敗、29イニング自責0(失点1)。圧倒的有利な数字を残していた。それがまさかの大量失点。9安打、4四球のどちらも今季自己ワーストだった。

 香田投手コーチは「四球がね。あれでリズムを自分から手放したかな」と分析。続けて「メヒアのホームランは大きかった。何とか切り替えてほしかったんだけど、もう少し慎重に行ってほしかったね。あそこで開き直るのは違うかな」と指摘した。

 本人は敗戦の責任を背負い込み、悔しさをにじませた。「ボールが行っていない感じはあったんですが、その中でどうにか(抑えたかった)…」。屈辱にまみれた114球。このままでは、終われない。 (湯澤 涼)

 ≪無敵だった金曜日に大崩れ≫岩貞(神)が3回にメヒアから満塁弾を被弾。阪神の投手では昨年6月2日のロッテ戦(甲子園)9回、呉昇桓(オ・スンファン)が角中に打たれて以来。岩貞は今季2本目、通算6本目の被弾になるが、過去5本はすべてソロ。塁上に走者を置いての被弾は今回が初めてだ。この日、5回2/3を自己ワーストの9失点で3敗目。今季ここまで4試合3勝0敗、防御率0・00と無敵だった金曜日に大崩れした。

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