広島・新井“偉業”あと4 この日達成の記録には「それは全然知らなかった」

[ 2016年4月23日 08:15 ]

<広・神>8回2死二塁、中前適時打を放つ新井

セ・リーグ 広島9―12阪神

(4月22日 マツダ)
 広島・新井貴浩内野手(39)の偉業達成が秒読みに入った。22日、古巣の阪神戦(マツダ)で2安打4打点の活躍。初回に走者一掃の同点二塁打を放つと、8回にも適時打を中前に運び、2000安打まで残るは4本だ。1試合4安打は今季1度あり、23日にも大台到達の可能性がある。試合は9―12で敗戦。投手陣の2試合連続2桁失点が響き、阪神と入れ替わって4位に後退した。

 4点を追う終盤8回2死二塁。新井のバットから弾かれたライナーが中前で弾むと、あきらめないファンの大歓声が上がった。1ボールから、4番手・高橋が投じた真ん中低めのスライダー。打席で集中力を研ぎ澄ませ、1996本目の安打を刻んでみせた。

 「最後まで絶対にあきらめない気持ちで、皆がやっていたんでね」

 3点を追う初回からパワー全開だった。田中、菊池、丸の3連打で築いた無死満塁の絶好機。フルカウントから、メッセンジャーの145キロ内角低め直球をジャストミートすると、打球は右中間を深々と割った。3人の走者は相次いで生還。値千金の同点二塁打だ。

 「(3点を)取られた直後だったし、皆が必死になって塁に出てくれるのでね。気持ちを入れて打席に入れた。ランナーを返せてよかった」

 史上40人目となる通算350二塁打。「それは全然知らなかった」と言うが、同点の延長12回に2点決勝打を放った19日のDeNA戦(横浜)よろしく、ここ一番はめっぽう強い。得点圏打率・423はリーグ3位。だからこそ、二ゴロに倒れた4回2死満塁を悔やむ。

 「甘い球だったけど、力んでしまった。何とかしたかったけどね…」

 だからと言って、2安打4打点が色あせることはない。2000安打まで残りは4本。今季は4月5日のヤクルト戦で既に4安打を放った実績があり、今日23日、一気にクリアするケースは十分ある。少なくとも、新井自身も望む「本拠地の阪神戦で」の偉業達成は可能性が広がった。

 「大味な試合になってしまったけど、攻撃陣はリードされた中でも集中力を切らさず、しっかり攻撃してくれた」

 最後まであきらめず14安打で9点を奪った打線を、緒方監督はそう称えた。その中心にいるのが4番・新井だ。7年間在籍した古巣・阪神との対戦。試合前には、兄貴分と慕った金本監督にあいさつするシーンも。ただ敗戦後で、敵将に関する質問は「ノーコメント」とさえぎり、短く言った。

 「あきらめない気持ちを明日につなげたい」

 いよいよ秒読み。快挙は勝利に結びつける一打で飾りたい。 (江尾 卓也)

 ▼広島・エルドレッド(3、6回にソロアーチ。1試合2本塁打に)自分の打撃に関しては非常にいい内容のゲームだった。ストライクゾーンの中でボールを見極められた。

 ▽新井(広島)通算350二塁打 22日の阪神4回戦(マツダスタジアム)の初回に達成。プロ野球40人目。初二塁打は99年9月15日のヤクルト戦。

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