楽天 天然芝に生まれ変わったコボスタ宮城での守備率の高さのワケ

[ 2016年4月23日 09:35 ]

人工芝から天然芝に張り替えられたコボスタ宮城

 楽天は開幕からここまで守備率・990(20日までの記録)と日本ハムと並び、リーグトップの堅守を見せている。本拠地・コボスタ宮城は今季、天然芝に生まれ変わったが、チームが新しいグラウンドで初めて練習したのは開幕2日前の3月23日だった。「ぶっつけ本番」状態で25日の開幕戦を迎え、天然芝への「慣れ」が不安視された中、コボスタ宮城では9試合目、今月12日のロッテ戦で記録するまで失策は一度もなかった。

 パ・リーグ6球団のコボスタ宮城での失策数を調べると、23日現在、楽天は13試合で4。ソフトバンクは3試合で3、ロッテ、西武、日本ハムはそれぞれ3試合で2、オリックスは1試合で1。試合数が違うため単純比較はできないが、1試合平均で見れば楽天の失策の少なさは圧倒的だ。

 本拠地というアドバンテージがあるとはいえ、開幕からまだ1カ月足らず。そんな中、堅実な守備が続く要因を真喜志内野守備走塁コーチは「キャンプ、オープン戦からずっと土のグラウンドで練習を重ねてきたから」と分析する。キャンプ地の久米島、練習拠点となった金武町(沖縄本島)、倉敷、静岡のグラウンドはいずれも内野が土、外野が天然芝と極めてコボスタ宮城と近い環境で練習を重ねてきた。

 実際、コボスタ宮城も通常の守備位置だと内野手が守るのは土の部分。人工芝に比べ、走者が走った跡などが残るため、イレギュラーなバウンドが起きやすい。二塁を守る後藤は「バウンドにしっかり合わせないといけないので丁寧にやろうとするし、イレギュラーがあると予測して、準備も早まる」と話す。こうした意識の高まりが「土でやっていると自然と上手くなるよ」と真喜志コーチが語るように、守備率の高さとして数字に表れているのだ。

 チームは一時、単独首位に立つなど好調を維持していたが、藤田、今江、岡島らレギュラー陣の相次ぐ故障もあって6連敗を喫した。それでも2連勝で巻き返し、10勝10敗1分け(20日現在)で勝率5割に戻した。苦しい戦いが続くが、真喜志コーチは「守備にスランプはない」ときっぱり。守りのリズムは攻撃につながる。首位再浮上を期待したい。(記者コラム・徳原 麗奈)

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2016年4月23日のニュース