藤浪 燕キラー健在!6連勝 気迫149球「最低15勝がノルマ」

[ 2016年3月30日 07:50 ]

<ヤ・神>初回1死一、二塁のピンチで畠山(手前)のバットをへし折り、遊ゴロ併殺に打ち取る藤浪

セ・リーグ 阪神6―2ヤクルト

(3月29日 神宮)
 勝利をたぐり寄せる149球の熱投でも、阪神・藤浪は苦笑いだった。完投まであと1アウトで力尽き、マウンドを守護神マテオに譲った若武者は素直に喜べなかった。

 「完投できなくて悔しいというのが一番です。野手の方に助けてもらっていい投球ができた」

 8回2/3を投げて8安打2失点。2回以外は毎回走者を背負ったが、ギアを自在に切り替えた。2点リードの3回2死一、三塁で迎えた山田には、最速151キロを2球含む4球すべて直球で二ゴロに打ち取った。5回に4点に差が広がると、緩急を駆使。「大胆かつ慎重に投げた」。9回2死一、二塁から畠山の中前適時打で降板したが、149球は、15年7月24日のDeNA戦(甲子園)で9回完封した152球に次ぐ自身2番目の球数。対ヤクルトは14年7月1日以来、6連勝となった。

 「毎年、開幕前に強烈な肩の張りが来る。張りというより、痛みに近い感じです」と明かす。しかも、昨季の右肩関節炎の影響から、慎重に調整を進めてきた4年目の初戦だったが、8回を終え127球でも「行きます」と首脳陣に伝えた。週の頭となる火曜日での登板。「長いイニングを投げ、リリーフが休めれば先発投手が楽になる。チームの1週間を左右する役割になる。言葉とか態度では若い人は示せない分、形として貢献したい」と言う。右腕の覚悟を金本監督も「本人の気持ち、そこを大事にしてあげたかった。何とか手助けしてあげたい」と感じ取った。

 開幕戦で黒星を喫した後に3連勝。チームを軌道に乗せた藤浪は「昨年は14勝だったので、今年は最低15勝がノルマだと思う。負けない投球をして、運も味方につけて勝ちもつけられればいい」とフル回転を誓った。

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