ヤクルト・鵜久森、どん底からはい上がり決勝弾「うれしい」

[ 2016年3月30日 22:14 ]

<ヤ・神>4回1死、鵜久森が勝ち越し本塁打を放ちベンチに迎えられる

セ・リーグ ヤクルト8―4阪神

(3月30日 神宮)
 新たな本拠地となった神宮の大歓声を受けながら、鵜久森がお立ち台で最高の笑顔を浮かべた。「本当にうれしいです。ありがとうございます」。真中監督のスタメン起用に応えて3打数2安打1打点。昨季オフに日本ハムから戦力外通告を受け、合同トライアウトからはい上がってきた男が、開幕4連敗だったチームに今季初勝利をもたらした。

 同点に追いつかれた直後の4回だった。鵜久森が振り抜いた打球は左翼スタンドへと突き刺さった。ベンチのナインが驚いたような表情で喜ぶ。鵜久森にとって日本ハム時代の12年、10月9日のロッテ戦(QVC)で放って以来の一発だった。

 「成瀬さんが頑張って投げていたので何とかチームの流れを変えたいと思って打席に立ちました」。試合の流れを引き戻す貴重な勝ち越し弾。ベースを回りながら「もう一度、野球ができているということをうれしく思って一周した」と喜びをかみしめた。6回にも内野安打を放つと、そこから打線がつながって一挙5得点。「無我夢中で、ひと振りにかけている」。その言葉には重みがあった。

 12年に放った最後の本塁打は、当時ロッテにいた成瀬から放ったものだった。今はその成瀬と同じユニホームに袖を通し、この日、そろってチームの勝利に貢献。2人で上がったお立ち台で、鵜久森はしっかりと胸を張った。

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