日本ハム・大嶋 初の開幕1軍も代打1打席で抹消…はい上がる姿もう1度

[ 2016年3月30日 09:10 ]

日本ハムの大嶋

 開幕2戦目。3月26日のロッテ戦(QVCマリン)。日本ハム・大嶋にチャンスが回って来た。

 2点を追う8回1死に大野の代打で出場。ロッテの快速右腕・内と対峙(たいじ)した。

 初球はボール。2球目の甘い直球は捉えきれず、ファウルとした。3球目は149キロ直球を見逃してストライク。4球目は変化球はファウルで食らいついたが、5球目の外角直球にはついていけず、空振り三振。14年10月5日の楽天戦(札幌ドーム)以来のプロ2打席目は、ほろ苦い結果となった。

 「2球目のファウル。あれを打ち損じた時点で“終わり”と思った。代打は1軍も、2軍も1球で仕留めないといけない」。大嶋の悔しさはこの一言に凝縮されている。プロ4年目の昨季、大嶋は「自分が(1軍で)出られる場所は代打が一番、近い」と覚悟を決めた。追い求めたのは1打席勝負、1球勝負への意識。ある時、代打で実績のあるベテラン矢野に「代打の心得」を聞いた。返ってきた答えは「簡単にストライクを取られないこと」。初球からの積極性、甘い球を1球で必ず仕留める確実性――。先輩の言葉が大嶋の意識を変えた。プロ5年目で初の開幕1軍入り。イースタン・リーグで打率・414、1本塁打、7打点の好調さが買われての抜てきだった。

 栗山監督は代打だけでなく、DHでの起用も示唆していたが、結局、25日からの開幕3連戦で大嶋の出番はこの1打席のみ。先発投手を登録する兼ね合いもあり、28日に出場選手登録を抹消された。ソフトボール出身で、豪快なスイングが魅力の「球界の異端児」。はい上がる姿をもう一度、見たい。(記者コラム・柳原 直之)

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2016年3月30日のニュース