金本氏と一丸!阪神、覚悟の変革 南社長「腰据えて、地道に」

[ 2015年10月14日 08:15 ]

阪神OBの金本氏

 「金本阪神」は二人三脚で作り上げる!阪神は13日、大阪・野田の阪神電鉄本社で坂井信也オーナー(67)へのシーズン終了報告と、和田豊監督(53)の退任会見を行った。すでに新監督候補として金本知憲氏(47=スポニチ本紙評論家)の招へいに動いており、坂井オーナーと南信男球団社長(60)はともに新体制について言及。現場とフロントが一丸となってチームを土台から作り直し、真の常勝軍団を築き上げる大方針を示した。

 真の常勝軍団となるため、猛虎が大きくかじを切る。今季までの直近10年間でAクラス7度。低迷しているわけではない。それでも優勝が遠い。その流れを変えるには、チーム自体が変わらなければならない。坂井オーナーは「現場だけでなく、フロントの責任もたくさんある。猛省して今後につなげていきたい」と言葉に力をこめた。

 来季テーマは「変革」だ。その第一弾として指揮官が変わる。球団は新監督候補の金本氏招へいに力を注いでいる。会見の席上。報道陣から新監督に関する質問を受けたオーナーは「この場で話すことは控えさせていただきたい」と話題を変えようとした。だが、なおも新監督に関する質問が続き、重い口を開いた。

 「新監督について申し上げるのは適切ではないと思いますが、和田監督が率いてくれてチームをここまでにしてくれた。熱く、タイガースを変えていくということでフロント一同、今まで以上に反省を踏まえながら、チーム作りに関わっていきます。再建するという言葉が適切なのか、つぶしてしまって新しく作るという言葉が適切なのか…。とにかく第一歩のスタートとして、その体制を早く作りたいと思います」

 目先の勝利にとらわれず、チームを根本から作り直す―。それが導き出した現状打破の策だった。その考えに南球団社長も呼応した。

 「やっぱりチームの雰囲気、ムードを変える必要があると思う。05年の前回優勝から10年。10年の節目で球団創設80周年という節目の年に、チャンスもありましたが、こういう結果になった。来季からは雰囲気、ムードを一変して一から作ってやっていくということ。毎年、優勝を目指してやってきて、同じような結果になっている。そういう意味では来年より再来年、再来年よりもその次の年という、しっかりしたチーム作りをしないといけないと思っている」

 新監督候補の名は、最後まで口にしていない。だが南球団社長の発言は「金本阪神」を強く意識した言葉に受け取れた。「もちろん勝敗を度外視するわけではない。勝ちながら育てるのが理想だが、腰を据えてやっていくべきじゃないかと思っている。フロントを含めてタッグを組み、地道にチーム作りをやっていきたい」。変革は生やさしいものではない。一気に最下位転落もありえる。それでも球団は新指揮官に長期政権を約束し、全面的にバックアップする構え。球団を代表し、その覚悟を言葉に乗せた。

 金本氏とは12日に3度目の交渉に臨んだが、受諾には至っていない。それでも変革には「鉄人」金本氏の強い意志と手腕が必要。だから粘り強く招へいを続ける。すべては猛虎が変わるためだ。(惟任 貴信)

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2015年10月14日のニュース