退団濃厚のマートン「一日でも長く」 ゴメスとは初の2者連続弾

[ 2015年10月12日 05:48 ]

<巨・神>意外や初連弾だ!初回、5番マートンが左越えソロで4番ゴメスに続く。奥は腕組みして見守る原監督

セ・リーグCSファーストS第2戦 阪神4-2巨人

(10月11日 東京D)
 考え得る最高の結果だ。貧打の阪神が勝つためにはゴメスとマートンが打つしかない。その両助っ人が初回に2者連続本塁打で3点を先制し、前日にサヨナラ負けを喫した嫌な流れを吹き飛ばした。1勝1敗のタイに持ち込んだ和田監督は「初回の攻防がキーになると思っていたが、2発は大きかった」と感謝した。

 第1戦はレギュラーシーズンから大きく変えた打順で臨んだが、この日は本来の形に戻し、吉と出た。初回、1番・鳥谷が四球を選んで出塁し、上本がバントで進める。2死後、打席には4番・ゴメス。1ストライクから外寄りのスライダーを完璧に捉えると、打球は軽々と左中間フェンスを越えた。続く5番・マートンも初球の直球を強振。左翼席に運び、大きな追加点をもたらした。2人は「積極的にいこうと思った」と声をそろえた。難敵の菅野を相手に後手に回らない攻めの姿勢が功を奏した。アベック弾は4度目だが、2者連続は初めてだった。

 昨季、ゴメスは打点王、マートンは首位打者に輝いたが、今季は2人とも不振に苦しんだ。ゴメスは来日後初の5番への降格を経験。前日も3打数無安打に倒れたが、家族が支えてくれた。ジェニファー夫人が7月に次女のアイミーちゃんを出産したため遠征についていけなかったが、今回は一緒に東京へ。ゴメスは「家族と過ごすことができて、とてもリラックスできたよ」と感謝した。

 マートンはスタメンを外れる屈辱も味わい、今季限りでの退団が濃厚だ。CS前にこう漏らした。「一日でも長くタイガースのユニホームを着たい。6年間、ユニホームを着られて感謝している」。右足の親指痛で万全ではないが、前日も2安打を放って6番から5番に昇格。来季残留するゴメスとの別れが近づいている中、勝たなければCS敗退が決まる崖っ縁でチームを救った。

 12日の第3戦で勝てばリーグ優勝のヤクルトが待つファイナルSに進出する。今季限りで退任する和田監督は今季最後の伝統の一戦へ「あしたが本当の勝負。今季巨人にはかなりやられてきたので、その思いを全て出したい」と誓った。

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