攻守に和田采配冴えた！中堅でなく二塁起用の大和が超美技

＜巨・神＞９回２死二塁、長野の打球を横っ跳びで好捕する大和

セ・リーグＣＳファーストＳ第２戦 阪神４－２巨人

（10月11日 東京Ｄ）
　よーいドンの初回から、打順組み替えがピタリとはまった。今季限りでの退任が決定している阪神・和田監督。敗れればラスト采配となる崖っぷちだったが、勝負勘で背水の一戦をものにした。

　「トリが四球で出てね。トリの出塁率を考えていつもの打順に戻した。もう一度、勝負ということ。初回の攻撃でリズムができたね」

　指揮官の狙い通り、シーズンで出塁率・３８０だった鳥谷が四球を選んだ。２番上本がきっちり送り、福留が倒れた２死二塁から、ゴメス、マートンの連続アーチ。上本、今成の１、２番コンビを一日限りで解体したことが、あっという間の３得点を呼び込んだ。

　「負けても引き分けでも（ファーストステージで敗退する）というゲームだった」

　勝負勘はディフェンス面でも冴え渡った。初戦で３安打した梅野ではなく、捕手はメッセンジャーとの相性重視で藤井を起用。９回裏の守りでは大和を中堅ではなく二塁に配したことが、最後の超ファインプレーにつながった。「悲壮感を出すのではなく、全力でいこう」。試合前には、そうナインに呼びかけて無用な緊張感を解きほぐした。

　「先行逃げ切りにもっていけるようにね。粘って、粘っていきたい。明日（１２日）が本当の勝負になる。シーズンではかなりやられたので、その思いをぶつけたい」

　先発が予想されるポレダに対しては２勝５敗と苦しんだが、短期決戦ではそんなデータは気にしていられない。先攻めの利を生かし、シーズンの雪辱を晴らす。　（森田　尚忠）