上本、29歳バースデー先頭打者弾!前夜の悪夢振り払う“号砲”

[ 2015年7月5日 11:15 ]

<D・神)>1回無死、上本が左中間に先頭打者弾を放つ

セ・リーグ 阪神7-6DeNA

(7月4日 横浜)
 虎党が奏でる「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」が鳴り終わる前に上本はダイヤモンドを一周していた。山口の初球を完ぺきにとらえるプレーボール本塁打で、自身の29歳の誕生日をド派手に祝った。同じ横浜の地で放った昨年8月17日以来となる自身3本目の先頭打者アーチが記念すべき初のバースデー弾。昨夜の悪夢を振り払う電光石火の一撃で、打線に“号砲”を鳴らした。

 「とにかく出塁することを意識して、積極的に行こうと思っていた。いい形で先制することができてよかったです」

 選手会長の勢いは止まらない。「(コンパクトに打つことを)意識していますから」と振り返るように、投手側に入り気味だったバットを縦に構え、左足の上げ方も変えたスムーズな打撃フォームで快打を連発した。先頭で迎えた5回は右前打で出塁し、3点目のホームイン。8回の左前打で今季3度目の猛打賞を記録するとともに、通算300安打にも到達した。

 躍動する背番号4の背中が、大和の闘志にも火を付けた。「いい形でクリーンアップにつなぐことができた」。与えられた役割に満点の働きで応えた。初回は追加点にこそ結びつかなかったが、上本の本塁打に続く左翼線二塁打で好機演出。その後は、2四球2犠打と「つなぎ役」に徹し、前夜に犯した2度のバント失敗を帳消しにした。

 先のヤクルト戦では不発だった1、2番コンビで計4安打2四球。その6出塁が得点源となった。「少しずつ(打線の)形が出来つつある。これまで、あまり無かった粘り強さが出始めた。元々、それがある2人だけどね」。和田監督もホオを緩めた。だが気持ちまで緩むことはない。殊勲の選手会長は「明日も明後日も、ずっと大事です」と前を向いた。(惟任 貴信)

 ○…上本(神)の初回先頭打者本塁打は14年7月14日の中日戦(ナゴヤドーム)、同8月17日のDeNA戦(横浜)に続く3本目で、いずれも表の攻撃。初球を打ったのは前回DeNA戦に続く2本目となった。この日は29歳の誕生日。7月4日の試合出場は昨季のDeNA戦(静岡)以来2度目。今回と同じく1番・セカンドでスタメン出場しているが、第1打席はショートゴロ。5打数1安打の打点なしだった。

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2015年7月5日のニュース