マエケン 今オフのメジャー移籍断念 ポスティング容認されず

[ 2014年12月19日 05:30 ]

広島の前田健

 広島・前田健太投手(26)が18日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に向けた下交渉を行い、条件面で大筋合意し、年内に来季の契約を締結する見込みとなった。交渉の席では金銭などの条件面に加え、鈴木清明球団本部長(60)から今オフのポスティング・システムよるメジャー移籍を容認しない方針を伝え、本人も了承した。海外フリーエージェント(FA権)取得は最短でも17年オフとなる。

 唯一の契約未更改選手だった赤ヘルのエースが年内に契約更改交渉を行うことが決まった。前田健はこの日、マツダスタジアム内の球団事務所を訪れ、鈴木球団本部長と約30分間の下交渉を行った。通常、選手が出入りする球団本部の入り口を使用しなかったため、コメントはなかったが、鈴木本部長は「金額面には合意したと思っています」と年内決着の見通しを語った。

 通常、主力選手は下交渉を行い、前田健の当初の交渉日は11月末に予定されていた。しかし右腕はオフのトレーニング拠点を東京都内とし、日米野球出場、球団イベント、テレビ出演など多忙だったため、スケジュール調整が難航し、この日までズレ込む形となった。

 交渉では金銭面の条件について詰められ、今季年俸2億8000万円(推定)の現状維持を基本線に両者間で大筋合意。今季は11勝9敗、防御率2・60で5年ぶり無冠に終わり、前田健本人も「不本意な1年だった」と認めているだけに、下交渉に時間はかからなかった。

 条件面と同時に球団からは今オフ、ポスティング・システムによるメジャー移籍を容認しない方針も、正式な形で初めて伝えられた。

 前田健は昨年の契約更改交渉時に将来的なメジャー挑戦願望を表明。今シーズン終了後には「5年、10年(後)の話ではないですし、できれば僕は“早めに”という目標を持っています」としてきたが、球団側の方針を了承したと見られ、来季もカープでプレーすることが確実となった。本部長は「ウチとしては来年に向かってやってもらいたいと言っている。来年に向かっての金額の話をした」と話した。

 来季、悲願の24年ぶりリーグ制覇を狙う緒方カープ。その中心戦力となるエースは、スッキリとした気持ちで新年を迎える。チームの優勝、さらに自らの夢をつかむため、新シーズンに全力を尽くす準備を整える。

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2014年12月19日のニュース