西武・小林宏 引退に後悔なし 指導者で恩返し

[ 2014年12月19日 08:07 ]

7月25日のロッテ戦で1025日ぶりにNPB1軍登板を果たし1回を無失点に抑えた小林宏

 NPBに復帰して、自分の力を思い知った。だから、引き際を決断できた。西武から自由契約となった小林宏は14日、都内で学生野球を指導するための資格回復研修に出席していた。「(野球界に)恩返しをしたい。指導者として選手をサポートしていきたいです」。表情は実に晴れやかだった。

 「コバヒロ」の愛称で親しまれ、甘いルックスで女性人気も高かった。ロッテ時代に4度の2桁勝利を記録。2度の日本一に貢献した。しかし11年に阪神に移籍してからは、鳴かず飛ばず。13年からはBCリーグにしがみついた。今季は信濃で投手コーチ兼任として、若手を指導しながら自らのフォームも修正。最速は144キロから、148キロにまで戻った。

 今年7月、最高年俸2億円だった男が、わずか600万円で西武と契約。「死ぬ気で全力でやりたい。ここでやらないと男じゃない」と決死の覚悟だった。だが15試合で防御率は7・94。壁にはね返され、踏ん切りが付いた。「力不足です。違った角度から野球を学びたい」。研修会で必死にメモを取る表情に後悔の念はなかった。

 ◆小林 宏之投手(こばやし・ひろゆき)36歳、17年目。春日部共栄―ロッテ―阪神―BC・群馬―BC・信濃。96年ドラフト4位。最高年俸2億円(08、09、12年)

 ▼通算 385試合、75勝74敗29セーブ、防御率3・57。

 ▼思い出 7月25日のロッテ戦(西武ドーム)でNPB復帰登板。

 ▼再出発 現役引退。

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2014年12月19日のニュース