広島拙攻続き…12残塁で中日突き放せず

[ 2013年9月6日 06:00 ]

<広・中>9回、無死、キラは空振り三振でガックリベンチに戻る(左から4人目は野村監督)

プロ野球 セ・リーグ 広島3-8中日

(9月5日 マツダ)
 もどかしい…。クライマックスシリーズ(CS)初進出を目指す広島は5日、4位・中日との直接対決第2ラウンド(マツダ)に3―8で敗れた。打線は9試合ぶりに2桁11安打を放ちながら、好機に1本が出ず2桁12残塁の拙攻。5回4失点の大竹に9敗目がつき、1点差の終盤に救援陣が突き放されてジ・エンドだ。竜とのゲーム差は再び2。空気を変える1本、つながりが欲しい。

 勝っていれば高木竜と4ゲーム差に開き、16年ぶりのAクラス確保にグッと近づいた一戦。世の中、そうは甘くないということか。活発に打ち、塁上を走者がにぎわしていただけに、3―8のスコアが寂しい。野村監督は声を絞り出した。

 「安打を打っても点につながらないパターン。菊池の一発はともかく、タイムリーでつなぎ、走者が入れ替わる展開が理想なんだけどね…」

 左腕・大野に対し、チャンスは何度もあった。5回までに先頭打者が出塁すること4度。1回2死一、三塁では広瀬が中飛に倒れ、2点を勝ち越された中盤4回からは、3イニング連続で2死一、二塁の好機を築いた。一度つながれば、大量点さえ望める展開だった。

 ところが、奪った得点は菊池の同点2ランが飛び出した3回の2点と、エルドレッドの適時打による5回の1点だけ。8月24日のヤクルト戦(マツダ)以来、9試合ぶりに2桁11安打を放った割に、スコアボードは動かなかった。緒方打撃コーチはそれでも楽観的だ。

 「点は取れなかったけど、菊池が本塁打で取り返したように、思い切りのいいスイングはできている。ドツボにはまっているわけじゃない」

 9月の大失速でCS進出を逃した1年前、6勝17敗1分けと苦闘した主要因は打線にあった。8月に打率・233、87得点だったものが、9月に入ると同・220、8本塁打、40得点と半減。5~8月まで4カ月続いた2桁本塁打も途切れた。

 「確かに、CSには出ていないけど、ここを乗り越えないと先は見えない。選手は去年の経験があって、成長してくれていると思うよ」

 緒方コーチが言うように、貧打で手も足も出ない状態では決してない。ただ、8月28日のDeNA戦(同)で零敗を喫して以降、3点以上取れていないのが気懸かりではある。百も承知…とばかりに、野村監督は毅然と言った。

 「毎日必勝態勢でいっている。適材適所でオーダーを組み、選手を信頼して、今までやってきた野球をやるしかない」

 悲願のCS初進出へ。重い空気を変える1本、難局を打開する1本が佳境でこそ欲しい。

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2013年9月6日のニュース