山崎 スッキリ「監督室にバットを投げたこともあった」

[ 2013年7月30日 06:00 ]

今季限りの現役引退を発表し、さまざまな思いを語る山崎

 中日の山崎武司内野手(44)が29日、名古屋市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。27日に出場選手登録を外れたことを引退の理由に挙げ「2軍に落ちれば決心しないといけないと思っていた。けじめとして進退を懸けながらやってきた」と語った。

 2度の本塁打王に輝き、通算403本塁打。だが、古巣に10年ぶりに復帰した昨季は1本、今季はここまで本塁打はない。通算1833安打。「2000本打てなかった。長嶋(巨人)さんの444本塁打にこだわりを持ってやってきたけど、それにも届かず」と悔やんだが、「野手の中で誰よりも長くやれたことは誇り」と笑った。楽天時代の恩師、野村克也氏らと並ぶ野手史上最長の27年間のプロ生活だった。

 負けん気は人一倍。前回の中日時代は山田監督、オリックス時代も伊原監督とぶつかり、トレードや戦力外通告を味わった。「いろんな人と衝突して言い合いもした。監督室にバットを投げたこともあった」と笑うが、どん底からはい上がってきた。高木監督の今季限りでの退任が決定的で、後任として浮上。今季終了までプレーするため、指揮官が「有終の美を飾らせないといかんな」と話したことを伝え聞くと「じゃあ、一緒に花道を…」とポロリと言った。

 ◆山崎 武司(やまさき・たけし)1968年(昭43)11月7日、愛知県生まれの44歳。愛工大名電高から86年ドラフト2位で中日入団。96年に39本塁打で初の本塁打王を獲得。03年にオリックス、05年に楽天移籍。07年には43本塁打、108打点で2冠王。通算成績は2237試合で打率・257、1204打点、403本塁打。右投げ右打ち。

 ▼野村克也氏 06年に偶然、楽天で出会って「配球を読めば、まだまだホームランを打てる」と教えた。若い選手にはコーチのように厳しく接し、それでも慕われていた。苦しんだ経験を生かして、いい指導者になってほしい。

 ▼楽天・田中 プロに入った当初からいろいろ言っていただいて、苦しい時も声を掛けてくれました。今年の交流戦、ずっと「戦いたい」と言っていただいていたので対戦できてよかった。

 ▼中日・山本昌 寂しいけれど彼が決めたこと。あいつが先か、僕が先かという話。2人でお立ち台に上がるチャンスはまだある。もう一回、同じ舞台で試合に出られればうれしい。

 ▼中日・岩瀬 入った時にプロ野球とはどういうものかを教えてくれた人。ありがとうございました、お疲れさまでしたと言いたい。

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2013年7月30日のニュース