雄星 地元・盛岡でプロ入り最速狙う「160キロ出した人もいますから」

[ 2013年7月30日 06:00 ]

盛岡に到着し、岩手県の観光をPRするのぼりの前で笑顔を見せる菊池。右は涌井

 西武の菊池雄星投手(22)が、30日の楽天戦(盛岡)で後半戦初先発し、凱旋試合で自身初の2桁10勝目を勝ち取る。2年ぶり2度目となる地元・盛岡での登板試合。西武ドームで調整後に盛岡入りした4年目左腕は、昨年までのノーワインドアップを試す意向を示し、4ゲーム差で追う首位相手への快投を誓った。

 「覚醒」した姿を披露したい。盛岡市出身の菊池にとっては2年ぶりの凱旋登板。練習を終えた表情は引き締まり、気持ちも自然と高まった。

 「家族や同級生が来てくれる。少しは成長した姿を見せたい。楽しむためにも勝ちたい」

 プロ初の凱旋登板は11年8月31日、同じ楽天戦だった。8回6安打4失点で完投したものの、黒星を喫し「直球は137、8キロしか出なかった。変化球でかわす投球をしてしまい、苦しかった」と悔しさだけが残った。

 2年前とは違う。4年目の今季はここまでリーグ3位の9勝をマーク。チェンジアップを習得して投球の幅を広げ、先発ローテーションの柱に成長した。4月13日の楽天戦(Kスタ宮城)ではプロ入り後最速の153キロを計測。「(球速は2年前と)変わっているし、真っすぐで押したい。160キロを出した人もいますから」と花巻東の後輩・大谷(日本ハム)を引き合いに出した。昨夏の県大会、大谷は岩手県営野球場で高校史上最速の160キロを計測。菊池も後輩に負けじと、プロ入り後の最速を更新する。

 前半戦や球宴出場での疲労を考慮され、12日楽天戦(Kスタ宮城)以来18日ぶりの登板。この日はキャッチボールやダッシュで調整し「しっかり休めたので大丈夫」という。今季はワインドアップで投球してきたが、28日のブルペン投球では昨年までのノーワインドアップに戻して調整。「無駄な動作を少しでも省いていけたら。試合でも試してみようと思う」と凱旋試合でも取り入れる。

 チームは新幹線で盛岡到着後、同市内の焼き肉店で決起集会を開催。力を蓄えた菊池は「(地元で)下手な投球はできない。力負けしないようにしたい」。首位・楽天を力でねじ伏せられれば、また一回り成長できる。

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