200安打への号砲!青木サヨナラ呼ぶ開幕アーチ

[ 2013年4月3日 06:00 ]

<ブルワーズ・ロッキーズ>ロッキーズ戦の3回、右越えに1号ソロを放つブルワーズ・青木

ナ・リーグ ブルワーズ5-4ロッキーズ

(4月1日 ミルウォーキー)
 目標とするシーズン200安打への号砲は、2年目の進化を示す一発だった。0―2の3回1死、難しい内角低めの90マイル(約145キロ)直球を完璧にとらえた青木の打球は、右翼フェンスを越えた。ヤクルト時代もなかった開幕戦アーチ。「テンション上がっちゃって、いつもより早く回っている気がした」。チームの今季1号にベンチでは手荒い祝福を受けた。

 本塁打を放った相手先発は、昨年4月20日にメジャー1号となるランニング本塁打を放った右腕チャシーン。当時はまだ控え扱いで、本拠地初先発だった。その後、右翼の定位置を奪い、2年目の今季は不動の1番を勝ち取った。「相性がいいのかな。去年のことも思い出した」と言うが、理由はそれだけではない。

 パワーアップを課題に挙げたオフ。自主トレでは公式球の3倍もある約450グラムのボールを使い、打撃練習に取り組んだ。腹筋運動のノルマも1日3000回。「シーズン後半、本当にきつい時に生きてくれれば」と話していたが、開幕戦から効果を発揮。

 試合前には緊張を和らげるため「トイレで叫んできました」と明かしたが、グラウンドではみじんも感じさせず。2点を追う8回1死一塁では、二塁ゴロに全力疾走で併殺を防ぎ、後続の連打で逆転。9回2死から追いつかれたが、延長10回にサヨナラ勝ちし、笑みがこぼれた。

 2月のキャンプから家族とは離れ離れだったが、30日に6月に第2子の出産を控える佐知夫人と1歳の愛娘が日本から合流。自宅を出る際には「子供が“パパ”って抱きついてきた。あんなの初めてだったので、きょうは何かいいことあるなって気がしていた」と明かした。勝負師の顔は、この時ばかりは優しいパパの顔になっていた。

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