牧田が侍対決制した 先発復帰初戦もスタミナ不安一掃

[ 2013年4月3日 06:00 ]

<西・ソ>力投する西武先発・牧田

パ・リーグ 西武4-1ソフトバンク

(4月2日 西武D)
 西武の牧田はあと1人、あと1球で完投を逃したことに「締まりがない。情けない」と苦笑した。それでも、118球、5安打1失点での初勝利。侍の守護神から先発に戻った不安を吹き飛ばすだけの技術があった。

 「速球と同じ軌道で落ちる球を有効に使えたと思う。そこで内野ゴロなど打ち損じてもらえた」

 普段なら130キロを超える直球も、この日は最速128キロ。ならば、何をするか。速球を見せ球に、同じ軌道から落ちるシンカーを多投した。初回1死二塁。侍戦士の内川には、クイックでファウルを打たせた後、内角シンカーで二ゴロに仕留めた。フォームに緩急をつけ、高めに直球を投げて打者の意識を分散させた。さらにカーブも90キロ台前半まで落として球速の緩急差も駆使した。

 100球を超える投げ込みはチームに合流した3月21日だけ。「最後は球が弱かった」。侍ジャパンではブルペンでも30球程度しか投げなかった。初回からセットポジションの投球も「(WBCよりも)マウンドが軟らかいので、踏ん張りきれない」と工夫。先発投手として復活する途上にあるが、8回終了後に首脳陣に直訴して9回2死一、二塁まで投げ抜き、同じ84年11月生まれの大隣との侍対決を制し、チームを3連勝に導いた。

 WBC2次ラウンドの台湾戦。同点の9回を無失点に切り抜けた自信が支える。「おう吐しそうなくらい緊張した。WBCですごい打者、すごい場面でやれた。それに比べれば怖いものはない」。内川、松田、本多と侍打者がいても、臆することはなかった。

 「9回まで考えると精神的に疲れる。打者一人ずつの意識で。自信を持って投げればいい」。プロ3年目。侍での約1カ月の濃密な時間がサブマリンを大きくした。

 ▼ソフトバンク・内川(6回に左中間へ今季1号ソロも序盤の2度の好機で凡退)あそこで打っても意味はない。4点を取られる前に打たないといけない。

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2013年4月3日のニュース