浦学の怪物だ高田 清原、松井超えの3戦連発

[ 2013年4月3日 06:00 ]

<浦和学院・敦賀気比>1回2死、一塁、高田は中越えに3試合連続となる逆転2ランを放つ

第85回センバツ高校野球準決勝 浦和学院5-1敦賀気比

(4月2日 甲子園)
 準決勝2試合が行われ、浦和学院(埼玉)と済美(愛媛)が決勝に進んだ。浦和学院は1点を先制された直後の初回、4番・高田涼太内野手(3年)が、センバツ史上2人目となる3試合連続本塁打を放ち逆転。敦賀気比(福井)を5―1で下し春夏通じて初の決勝進出を決めた。また済美の安楽(あんらく)智大投手(2年)は高知打線に2本塁打されたものの無四球で連打も許さず3―2で競り勝った。3日の決勝は午後0時半プレーボールとなる。

 中堅左のスタンド最前列で打球が弾んだ。1点を先制された直後の初回2死一塁。高田が逆転の一撃を放った。

 「バットに当たった感じは良かった。(本塁打は)たまたまって感じだけど、しっかりフルスイングはできた」

 初球を捉えるイメージはできていた。敦賀気比のエース右腕・岸本対策として、前日の打撃練習では、外角へ逃げるスライダーに踏み込んで振り切る練習を反復。功を奏した。これで3回戦の山形中央戦から3試合連続本塁打。PL学園(大阪)の清原、星稜(石川)の松井もセンバツで1大会3本塁打を記録したが、3戦連発はなかった。

 新チームでは主将を任された。だが、明治神宮大会2回戦で敗退後、山根への主将交代を告げられた。「悔しかった。自分のすぐに怒ったりキレたりする性格では選手はついてこないと言われた。(自分が)チームをマイナスにした」。自分を見つめ直し、感情をコントロールする方法を探した。

 一冊の本との出合いが変わるきっかけとなった。「イチロー式集中力」(児玉光雄著)を熟読。「イチロー選手は普段の生活から集中力を磨いている」と、普段の練習に明確なノルマを自らに課した。昨秋の公式戦で本塁打が0だったことを受け、冬場は試合用より100グラム重い1キロの竹バットで毎日2000スイング。またグラウンドを離れても、昨年12月に宮城県石巻市を訪れ、被災地で炊きだしなども行った。この日はチームの起床時間より30分早い午前4時から1人素振りを繰り返し、集中力を高めてから球場入りした。

 今年1月、センバツの決勝戦に進出する初夢を見たという森士(おさむ)監督は「(高田の本塁打は)すぐ逆転できて大きかった」と目を細めた。相手は最速152キロ右腕・安楽を擁する済美。センバツ新記録となる4戦連発の期待がかかる高田は「直球を打ち返したい。決勝は自分がどうこうではなく、人生を懸けて戦いたい。勝つ。それだけです」。新怪物対決で雌雄を決する。

 ≪1大会3本塁打は9人目の大会タイ≫浦和学院の高田が敦賀気比戦の初回に中越え2ランを放ち、3回戦の山形中央戦、準々決勝の北照戦に続き3試合連続本塁打。01年に東福岡の下野がマークして以来12年ぶりで大会史上2人目。1大会3本塁打は9人目の大会タイ記録。

 ◆高田 涼太(たかだ・りょうた)1995年(平7)5月11日、埼玉県生まれの17歳。6歳から野球を始め、和光二中2年秋に埼玉県大会優勝。3年時は朝霞三中に転校。浦和学院では1年秋からベンチ入り。1メートル80、77キロ。遠投98メートル、50メートルは6秒8。右投げ右打ち。

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2013年4月3日のニュース