WBC活躍に乗っかる 高木監督「4番井端」プラン

[ 2013年3月13日 06:00 ]

<日本・オランダ>3番でスタメン出場した井端

 仰天構想をぶち上げた。中日・高木監督は本気とも冗談ともつかない表情で、WBCで驚異的な勝負強さを発揮し続ける井端の4番起用プランを口にした。

 「井端を4番にしようか?一番いいところで打つバッターだからな。打っているところは(テレビで)よく見ている。気分良く帰ってくるだろうし、新打線の4番でいい」

 井端は1次ラウンド開幕のブラジル戦で、1点を追う8回に代打で同点打。2次ラウンド初戦の台湾戦でも、2―3の9回2死から起死回生の適時打を放った。4番に求められる勝負強さは十分に兼ね備えている。「4番・井端」構想の背景には積年の課題である得点力不足がある。昨季のチーム423得点はリーグ4位。今季もここまでのオープン戦は同一リーグ相手に5戦全敗で総得点はわずかに8と苦しんでいる。指揮官は以前から「4番・ルナ」を基本線としてきたが、10日の西武戦(小牧)では、それまでの出場4試合全てで4番に据えた新外国人を初めて3番で起用。得点力向上のためには長打力にこだわらない。プロ15年間、通算1611試合で4、9番での先発出場がない井端も指揮官の中では選択肢の一つだ。

 井端自身は「打席でリラックスできている」と好調の要因を挙げる。精神面での落ち着きは、さすが百戦錬磨のベテランだ。重圧のかかる場面でも「打ったらやばい(凄い)なという気持ちの方が強い」と前向きに捉えるたくましさがある。

 侍ジャパンは決勝まで進出すれば、21日が帰国予定。井端は22日からのロッテ3連戦(ナゴヤドーム)に出場可能で、高木監督も「最後の試合、4番でやろうか?」と話した。WBCで日本を救った井端が、今度はチームの救世主に。高木監督の「4番・井端」構想は決して「暴走」ではない。

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2013年3月13日のニュース