二刀流育成本気!栗山監督 投手も打者も「大谷が2人来る」

[ 2012年12月4日 06:00 ]

日本ハム・栗山監督(中央)は報道陣に囲まれ、交渉の手応えを聞かれて笑顔を見せる

 大谷の入団が正式に決まれば、日本ハム・栗山監督は本格的に二刀流育成プランに乗り出す構えだ。この日の会見でも「もちろん両方やります。僕はできると思っている。俺の中では(投手大谷、打者大谷の)2人が入団してくると思っているので」と真剣な表情で言葉に力を込めた。

 高校通算56本塁打の打力は、パワーだけでなく柔らかさも兼ね備えた天性のもの。球団では早くから「打者としてなら1年目からでも中軸を打てる」と高く評価していた。ただ、マウンドに上がれば最速160キロを投げ込む力もある。ならば、その可能性を両方生かさない手はない。ドラフト前の段階から大谷にべたぼれしていた栗山監督は「夢があるよね。今までそんな選手はいないのだから。投げない試合はDHで出ればお客さんも盛り上がるしね」などと夢プランを語っていた。

 日本球界では97年、外野手登録だったオリックス嘉勢敏弘が2試合に登板。本格的な二刀流選手としては70年代に通算9勝を挙げる一方、打者としても9本塁打を放った外山義明(故人=ヤクルトなど)以来、出ていない。過去にさかのぼってもほとんど例がないため、今後は二刀流のための大谷専用の特別メニューを早急に考案していくことになる。

 「登録は投手?それはまだこれからの話」とした栗山監督。大谷が投げる試合はDHを使わず、投げない試合は野手として打席に立つ。まるで漫画のような世界も、今の日本ハムと大谷の才能があれば、本当に実現するかもしれない。

 ▼日本ハム・山田正雄GM こちらの欲目ですが(入団に)だいぶ前向きになってきたかなと思います。そうなってもらえるのが一番うれしい。背番号11は投手の番号なので、ダルビッシュどうこうではなく、投手として期待していることを伝えたかった。

 【大谷のハム交渉経過】

 ▽10月25日 日本ハムがドラフト会議で大谷を1位指名。会見した大谷は「評価はありがたいが(入団の)可能性はゼロです」

 ▽同26日 山田正雄GMと大渕隆スカウトが花巻東を訪問。大谷本人は同席せず、佐々木洋監督に指名の経緯を説明。山田GMは「時間をかけて諦めず、最後の最後まで頑張る」

 ▽11月2日 山田GM、大渕スカウトが岩手県奥州市の大谷の自宅を訪問。大谷と両親に50分間、育成方針などを説明した。「夢は正夢。誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう」と栗山監督が記したサインボールを手渡した。

 ▽同10日 山田GMと大渕スカウトが、花巻市内のホテルで両親と入団交渉。資料を持参し、1時間半熱弁。父・徹さんは「持ち帰って本人に伝えたい」

 ▽同17日 山田GM、大渕スカウトが奥州市内のホテルで大谷と両親と入団交渉。父・徹さんは「(大谷から)前向きな態度は感じられなかった。でも、全く“ノー”という感じでもなかった」

 ▽同26日 栗山監督が直接出馬し、大谷と両親と入団交渉。約1時間の話し合いに栗山監督は「思いは全てぶつけた」

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2012年12月4日のニュース