大谷 日本ハム入団確実に「疑問点解消した」

[ 2012年12月4日 06:00 ]

日本ハム・栗山監督(右端)は大谷に手を差し伸べて声をかける

 日本ハムにドラフト1位指名された花巻東・大谷翔平投手(18)の入団が3日、確実となった。

 岩手県奥州市内のホテルで入団交渉に臨み球団側は背番号「11」と契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円の最高条件を提示。これまで大谷は大リーグ挑戦を表明していたが栗山英樹監督(51)の2度に及ぶ直接交渉で160キロ右腕の気持ちを動かした。今週中にも「日本ハム・大谷」が誕生する見込みとなった。

 運命のドラフトから40日。事態は大きく展開した。入団交渉後、会見に応じなかった大谷だが球団広報を通じ「球団の方から自分の疑問点を解消していただき感謝しています。周囲に迷惑が掛からないよう今週中には球団に伝えたいと思います」とコメントを発表。父・徹さん(50)も「だいぶ日本ハム入団に対して前向きになってきているのではないかと感じた」とすっきりした表情で話した。

 日本ハムは交渉の席でとっておきの秘策を繰り出した。昨季までダルビッシュ(レンジャーズ)が背負っていたチームのエース番号である背番号11を提示。最速160キロの投手としての才能とともに、高校通算56本塁打の打撃も高い評価を受ける逸材に対して、あらためて投手として最大限の評価をしている姿勢を示した。

 プロで投手としても勝負したかった大谷にとって、この点は大きく響いた。栗山監督によれば11という数字そのものよりも、投手としての評価に「一番うれしそうな表情をしていた」という。

 前回26日、直接出馬した栗山監督は大谷に「翻意させに来たのではない。どうやったら夢をかなえるための手伝いができるか」と熱い言葉で訴えた。最終的にメジャーで長くプレーをするために――。方法論の一つとしてマイナーではなく、日本ハム、日本球界で技術を磨くことが近道になると説かれた大谷の心は大きく揺らいだ。

 ドラフト当日。「(入団の)可能性はゼロです」と話した大谷だが、指揮官の熱意に折れ、今週中にも日本ハム入りという決断を下す。

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2012年12月4日のニュース