浅村 ダメ押し弾!左脇腹痛の中島欠場で意地の一発

[ 2012年9月28日 06:00 ]

<西・楽>8回2死、ソロ本塁打を放つ西武・浅村

パ・リーグ 西武3-1楽天

(9月27日 西武D)
 勝利をグッとたぐり寄せる値千金の一打が、西武ファンの待つ左翼席へと飛び込んだ。1点リードの8回。浅村の6号ソロには中島への思いが詰まっていた。

 「中島さんがおらんようになったら弱いと言われたくない。必死に戦ってました」

 優勝争いの真っただ中に、唯一無二の存在を欠いた。打率リーグトップの中島が、左脇腹痛の影響で8月31日ロッテ戦(西武)以来の欠場。今季は腰痛、右かかと痛に耐えながら出場を続けてきたが、23日の日本ハム戦(西武ドーム)から12打席連続無安打で打率は・322から・315まで急降下していた。痛みが抜けないため、28日からの日本ハムとの直接対決に備えて大事を取った形となった。

 チームの危機に燃えていたのが、自他ともに中島の後継者と認める浅村だ。1点を追う6回2死では、チーム初安打となる中前打。直後の2球目には二盗にも成功した。「初球真っすぐだったので、もう一球真っすぐはないな、と。走る時はセーフになると思って走っているので」。重圧のかかる局面で見事に好機を演出し、ヘルマンの逆転の2点適時打を呼び込んだ。

 中島抜きで臨んだ一戦で鮮やかな逆転勝利。浅村は試合前ミーティングで土井ヘッド兼打撃コーチの「中島がいなくなったからといって、それで負けとったらアカン」というゲキに「気持ちが盛り上がった」という。08年に大阪桐蔭を全国制覇に導いた21歳は、しびれるような優勝争いも「緊張はない。楽しめている」と胸を張った。

 渡辺監督は「浅村は本来の思い切りのいいスイングを見せてくれた」と称えた。首位日本ハムも勝ったため、ゲーム差は2のまま。それでも逆転優勝を信じ、天王山へ向け、いざ北の大地に乗り込む。

 ▼西武・佐々木チーフトレーナー 中島には積極的に休んで、と言った。痛みは1週間前からずっとあった。(日本ハム戦の)試合出場は問題ない。

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2012年9月28日のニュース