天谷 前田智が手本「ああいうふうに打てばいいと思って」

[ 2012年9月28日 06:00 ]

<広・巨>9回1死満塁、長野のサヨナラ失策を誘う右前同点適時打を放った広島・天谷(左から2人目)にナインは水をかけて祝福

セ・リーグ 広島2-1巨人

(9月27日 マツダ)
 劇的な幕切れだった。広島が1点を追う最終9回に驚異的な粘り腰を発揮し、14日の中日戦(マツダ)以来今季4度目のサヨナラ勝ち。1カ月ぶりの連勝、10カードぶり勝ち越しの立役者・天谷は歓喜に声を震わせた。

 「嬉しいです。ブラッドと丸が粘り、前田さんがお手本みたいな打撃をしていたので、ああいうふうに打てばいいと思って打席に入れました。ホッとしました」

 8回まで漫然とゼロ行進を続けていた打線が、28試合連続無失点中の西村に突如キバを剥いた。1死後、エルドレッドが11球目を右前へ運ぶと、丸も8球粘って四球を選ぶ。続く代打・前田智も初球の甘いフォークを右前へ。1死満塁で天谷。お膳立ては整った。

 2ボール2ストライクからの7球目甘いフォークを振り抜くと、打球はライナーで右前へ。長野の後逸を誘い、丸がサヨナラのホームを踏んだ。

 「前田さんが打ったのもフォーク。1球は絶対浮いてくると思った」。岩本とともに夏場の隆盛を支えた28歳だが、得点圏では打率・171。バリントンや前田健らの名前を挙げ「得点圏で打てず、ずっと申し訳ない気持ちでした」。そう話す目には涙が浮かんだ。

 巨人に連勝し、マツダスタジアムでは今季残り2試合を残して31勝28敗7分。09年の開場以来、4年目にして初の本拠地勝ち越しを決めた。「最後の粘りは素晴らしかった。天谷は力を持っているんだから。自信にしてほしい」。野村監督は満足そうに振り返った。

 ▼広島・前田智(代打で3試合連続安打)いいんじゃないですか、僕は。

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2012年9月28日のニュース