ダル、和田の女房役?ナショナルズ正捕手誘拐される

[ 2011年11月11日 06:00 ]

ベネズエラで誘拐されたラモス

 ナショナルズのウィルソン・ラモス捕手(24)が9日(日本時間10日)、母国ベネズエラの自宅で武装した4人組に拉致された。ベネズエラではスポーツ選手の家族が誘拐される事件が多発。殺害されるケースもあるが、現役選手が巻き込まれたのは初めて。ナ軍は今オフ、日本ハム・ダルビッシュ、ソフトバンク・和田の獲得に乗り出すと伝えられ、ラモスは女房役の筆頭候補でもある。

 事件が発生したのは9日午後6時45分ごろ。同国のウインターリーグに参加中のラモスは、首都カラカスの西150キロにあるサンタイネスの自宅で家族と過ごしていたところを、武装した男4人に襲撃された。4人組はラモスを拉致し、四輪駆動車で立ち去ったというう。10日朝、車は郊外で発見され、地元警察が証拠品を押収した。犯人からの接触はない。

 ベネズエラでは2010年に26万8720件の犯罪事件、1万3122件の殺人事件が発生。殺人件数は日本の約91倍で、発生率も南米3位と高い。営利誘拐も多発している。同国はマーリンズのオジー・ギーエン新監督をはじめ、サイ・ヤング賞2度のサンタナ(メッツ)、巨人のラミレスら多数のスター選手を輩出しており、その裕福な家族は格好の標的になっている。

 09年6月にはトレアルバ(ロッキーズ=現レンジャーズ)の当時11歳の息子と叔父2人が誘拐され、200万バリバレス(約8900万円)の身代金を要求される事件が発生。同年11月には、メッツなどで活躍したビクトル・ザンブラノ投手のいとこが誘拐殺人の被害者となり、9日後にも母親が誘拐された。同国で野球選手は、外出時に護身用の銃を携帯するか、護衛を付けるのが日常となっている。

 メジャー2年目のラモスは、今季113試合で打率・267、15本塁打、52打点で、盗塁阻止率もリーグ3位の正捕手に成長していた。ナ軍の守護神ストーレンは自身のツイッターで「彼を思い、祈る。恐ろしい出来事だ」と心境を明かした。現役選手が誘拐されるという悲劇が、米球界へ与えた衝撃は大きい。

 ◆ウィルソン・ラモス 1987年8月10日、ベネズエラ生まれの24歳。04年にツインズ入り。昨年5月にメジャーデビュー、8月中旬にナショナルズに移籍。今季は名捕手、39歳のロドリゲスから正捕手の座を奪い、113試合に出場して打率・267、15本塁打、52打点と活躍した。今季年俸は41万5000ドル(約3200万円)。1メートル83、100キロ。右投げ右打ち。

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2011年11月11日のニュース