由伸 巨人最大幅の1・8億円ダウンで年俸半額以下に

[ 2011年11月11日 06:00 ]

厳しい表情で会見する高橋由

 球団史上最大の減額――。巨人の契約更改が10日、都内の球団事務所でスタートし、高橋由伸外野手(36)が減額制限(40%)を超える51%ダウンの年俸1億7000万円でサインした。

 1時間超の交渉を終えた高橋由の表情は吹っ切れていた。1億8000万円減は歴代2位タイ。今季年俸から半額以下となる大幅な減額にも「下がるのは当然です。(単年契約は)勝負するというか、それが当たり前」と話した。今季で4年契約が切れ、新たな契約は1年。「まだ戦力と言っていただいたので、頑張ろうかなと思う。気力もあるし、今年終わったことはどうしようもない」と、進退をかけた来季への決意を口にした。

 09年9月に腰を手術。昨年は116試合出場と古傷を気遣いながら1年を乗り切り、今季へ期する思いは強かった。2月の春季キャンプ休日には健康祈願で宮崎県日南市の鵜戸神宮へ向かった。「亀石」という穴が開いた岩に数メートル離れた崖の上から、男性は左手で「運玉」を投げ入れることで願いがかなうといわれるパワースポット。2年続けて験担ぎのために訪問し、運玉を投げ入れたのは決意の表れだった。

 しかし今季は、開幕9戦目だった4月26日のヤクルト戦(草薙)で右翼フェンスに激突。左脇腹肋骨骨折で、1カ月以上の戦線離脱を余儀なくされた。「後悔はしていないけど、ケガをしたのが一番(大きい)」。結局、95試合出場で打率・246、15本塁打。満足には程遠い数字に「勝てなかったことは悔いが残る。僕も結果を残せなかった責任がある」と振り返った。

 「来年も現役をやらせていただく。今年もそうだけど後がない気持ちでやっている。とにかく試合に出ること」。長らく打線の中軸を支えてきた天才打者。燃え尽きるのはまだ早すぎる。

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2011年11月11日のニュース