自身初の5打数5安打!松井「ゴジラ健在」を猛アピール

[ 2011年7月26日 06:00 ]

<ヤンキース・アスレチックス>9回1死一、二塁、この日5本目の安打を右前に落とし笑顔の松井

ア・リーグ アスレチックス5―7ヤンキース

(7月24日 ニューヨーク)
 アスレチックスの松井秀喜外野手(37)が、古巣に最大級の恩返しをお見舞いした。24日(日本時間25日)のヤンキース戦で、日米通じて自身初となる5打数5安打の大暴れ。後半戦はこれで打率・469、2本塁打、11打点と絶好調だ。試合には敗れたが、前日の日米通算501号に続き、ヤ軍とニューヨークのファンに「ゴジラ健在」を強烈に印象づけた。
【試合結果】

 両手がしびれる感触も心地よかった。9回1死一、二塁。松井は元同僚リベラの宝刀、内角カットボールを思い切り振り抜き、この日5本目の安打を右前に落とした。

 「思い切り詰まったけど、いいところに飛びましたね。カットボールしか頭にないけど、あれだけ詰まる。(バットは)思い切り折れたよ」

 ヤ軍1年目の03年キャンプ。左打者の懐に食い込む軌道に「今まで見たことがない球」と仰天した。昨季も2打数無安打。通算583セーブの守護神からの初安打は会心の当たりではないが、コンパクトに鋭く振れているから外野に飛んだ。

 思い出の詰まったニューヨーク。「何か見えない力で打たせてもらったのかもしれない」。常に物事を客観視する松井には珍しい言葉だ。左前に2本、右中間、左中間へ二塁打、最後に右前打。メジャーでの5安打はプレーオフを含めて自身3度目だが、5打数5安打は初で、巨人時代もなかった。「どういうわけか甘い球が多かった」と謙遜したが、全て1回のスイングで仕留めた。

 試合前にもパワーをもらった。ヤ軍時代の恩師ジョー・トーリ氏が、日米通算500号達成を祝福するために球場を訪問。現在大リーグ機構の副会長を務める同氏は、ベンチ裏で松井と談笑した。最も印象深い本塁打に03年ワールドシリーズ第2戦で3ボールから打った先制3ランを挙げ「3ボールから打たせるには信頼関係が必要。マツイは常に状況に応じた打撃で応えてくれた」と思いをはせた。松井の迷いのないスイングは、当時と同じ凄みを感じさせる。

 この1週間は・571、2本塁打で、週間MVPの候補にも浮上。前半戦終了時・209だった打率は・237まで上がった。「個人的にはいいシリーズでした」と振り返った後「(3連戦を)負け越したこと以外はね」と付け加えた。

 「声援はうれしいし、ファンの皆さんには感謝してますけど、打席に入ったら勝負するだけ」。思い出の地で何かをつかんだ松井。チームは借金13と低迷しているが、今後の爆発次第では優勝を争っている球団が獲得に動く可能性もある。もちろん、ヤンキースも背番号55を見ているはずだ。

 ≪通算安打数は単独5位≫松井は5安打を加え日米通算2569安打(日1390、米1179)。日本選手の通算安打数で門田博光(ダイエー)の2566本を抜き、単独5位に浮上した。最多はイチロー(マリナーズ)の3644安打。

 ≪メジャー5の5は日本人4人目≫過去にメジャーで1試合5安打をマークした日本選手は5人。通算回数はイチローが7試合でトップ。2試合の松井は2位で、このほか新庄(ジャイアンツ)、松井稼(ロッキーズ)、福留(カブス)が1試合ずつ記録している。5打数5安打はイチロー、松井稼、福留に次いで4人目。

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2011年7月26日のニュース