両校合わせ熱中症12人…広島工大高、選手不足で棄権

[ 2011年7月10日 06:00 ]

<広島工大高・広島井口>あまりの暑さに熱中症で倒れる選手が続出

広島大会1回戦 広島井口7―7広島工大高

(7月9日 マツダ)
 広島工大高―広島井口で熱中症により計12選手が倒れ、選手不足となった広島工大高が棄権するという異常事態が起こった。

 最高気温32・3度を記録した広島市内で、第2試合として午後2時46分にプレーボールしたが、試合中に足のけいれんやおう吐など熱中症の症状を訴える選手が両チームに相次いだ。9回に広島井口が1点差を追いついて延長戦へと突入。13回終了時点で7―7と熱戦を繰り広げていたが、直後に途中出場の広島工大高・山内が体調不良でおう吐。守備に就くことが不可能となった。ベンチ入り20人中8選手が熱中症となった同校は、途中交代もあり出場できる選手が8人となったことで無念の「棄権」を申し入れるしかなくなった。

 まさかの幕切れに高山主将は「試合途中から調子が悪かった。13回にサヨナラ勝ちできていれば…。最初は何が起こったか受け入れられない選手もいた」と肩を落とした。関根浩司部長も「スポーツドリンクはもちろん、塩の錠剤、バナナ…やれる準備は全てやった。少しでもゆっくりできるように集合時間もぎりぎりにしたんですが」と残念そうに振り返った。

 この日開幕した広島大会。リハーサルで3人が倒れ、第1試合でも3人が熱中症の症状を訴えて病院へ運ばれていた。1日で9台もの救急車が出動、計8人が病院に搬送された。4時間9分の試合時間中に6度、計32分間もの治療中断の措置がとられた中で10年ぶりの夏1勝を手にした広島井口も、4人が熱中症となった。中丸和宣監督は「こうなってしまうと残念。選手がかわいそう…」。そこに勝者の笑顔はなかった。

 <栃木でも28人が…>栃木大会でも宇都宮市の県営球場で行われた開会式後、選手や大会関係者ら計28人が気分が悪くなり、うち選手1人を含む3人が近くの病院に救急搬送された。宇都宮市消防本部によると、いずれも熱中症とみられるが軽症。気象庁によると、栃木県内の最高気温は佐野市が36・3度で宇都宮市も35・2度だった。

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