斎藤初先発13日横浜戦、TBSが地上波緊急中継

[ 2011年3月10日 06:00 ]

ブルペンで熱のこもった表情でフォークを投げ込む斎藤

 佑ちゃんがテレビ局を動かした。日本ハムのドラフト1位ルーキー斎藤佑樹投手(22=早大)がプロ初先発する13日の横浜戦(横浜)をTBSが地上波で中継することが9日、分かった。地上波によるオープン戦中継は極めて異例で、TBSでは2年ぶり。ファンの強いニーズに応えるため緊急中継が決まった。開幕前に「佑ちゃんフィーバー」は過熱の一途だ。

 佑ちゃんのプロ初先発を見たい――。そんなファンの声はテレビ各局に届いていた。斎藤の先発が予想される13日、球場は横浜スタジアム。横浜の親会社TBSにとってこれ以上ないビッグチャンスだった。急きょ番組編成会議を開き、試合4日前になって地上波による中継が決まった。

 今オープン戦初の地上波中継。「1人の投手をめぐって、こんな直前に編成会議を開いたことなんてありません。でも、これだけ注目されているのに地上波で見られない方がおかしい。視聴者が求めているということ」。同局関係者は緊急中継についてこう説明する。

 急な決定のため午後1時の試合開始で中継は午後2時から。ディレーでの中継という形になるが、斎藤の投球を1球も逃さず全て放送する。それどころか、通常の公式戦中継よりもカメラの台数を増やす予定。あらゆる角度から斎藤の表情を捉える配置を考えているそうで、ブルペンから三塁ベンチ内まで、その一挙手一投足をお茶の間に届ける態勢を敷く。

 TBSでは、昨年に続いて今季も地上波によるオープン戦中継の予定はなかった。同局の地上波中継は09年3月11日の横浜―ロッテ戦(横浜)以来。このときは深夜の録画中継だったことを考えると、日曜日の午後2時からという今回は異例中の異例だ。「斎藤君のパワーがうち(TBS)を動かしたということ」と同局関係者。斎藤が4球団の抽選の末に日本ハムに指名された昨年のドラフトを地上波の全国ネットで生中継し、14・4%という高視聴率を獲得したTBSだからこその決断でもあったのだ。

 プロ初先発に加えて今回は本州初見参。ここまで実戦登板は沖縄と北海道での試合だけに、首都圏球場のマウンドに上がる姿にはいやが上にも注目が集まる。ニッポン放送が午後1時から緊急生中継を決めたのに続く、異例の地上波中継に、斎藤自身は「そういうことはあまり意識しないので」と至って冷静。そんなクールさが逆にフィーバーを過熱させる。3・13ハマのマウンド。地上波に乗って斎藤はどんな投球を見せるのだろうか。

 ▽斎藤と視聴率 06年夏の甲子園は準決勝が18・1、決勝が29・1、決勝再試合が23・8%。昨秋の早慶優勝決定戦は12・1%。ドラフトで藤井球団社長が交渉権を引き当てた際は17・2%を記録

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2011年3月10日のニュース