マスターズリーグ窮地…不況直撃で資金減

[ 2008年12月9日 06:00 ]

 プロ野球OBによる「マスターズリーグ」が、経済不況などの影響で厳しい経営状況に追い込まれていることが8日、分かった。スポンサー撤退で運営資金が大幅減。同リーグの東玲作常務取締役(51)は「(一時は)今年1年間は開催を見合わせては…というほど追い込まれた。景気悪化の影響は当然ある」と苦しい胸中を明かした。

 8年目の今季、開幕直前の9、10月にスポンサーが相次いで撤退。合計で約3億円の協賛金がなくなった。「運営資金は6億円と考えていたが、半分が消えてしまった」と東氏。発表済みだった全20試合のシーズン日程は変更を余儀なくされた。集客が期待できる東京ドームなどを除き、球場使用料の高い他のドーム球場から“撤退”。ひとまず来年1月12日まで10試合を行い、以降は使用料の安い地方球場での代替開催を検討している。屋外のため寒い冬場を避け、3~5月の開催になりそうだという。
 「ドームは使用料だけで1000万円から1500万円。地方球場なら選手のギャラや旅費、宿泊費など全部含めても1000万円弱で済む」。東氏は現在も新たなスポンサー企業を求めて奔走中。地方での開催も「各地でリーグの理念を広められる。逆にいいこと。ピンチをチャンスに変えたい」と話した。
 選手のギャラも大幅減となったが、それでも「何でも協力する」との言葉をもらっているという。将来的には独立リーグとの交流戦も検討しており、東氏は「とにかくリーグを継続させることが使命」と力を込めた。

 ◆プロ野球マスターズリーグ 01年11月にスタートした、プロ野球OBによるリーグ戦。「高齢化社会へのメッセージ」「野球界の底辺拡大に努める」などの5つの理念を掲げる。「札幌アンビシャス(柴田勲監督)」「東京ドリームス(江夏豊監督)」「名古屋80デイザーズ(大島康徳監督)」「大阪ロマンズ(山田久志監督)」「福岡ドンタクズ(池永正明監督)」の5球団。昨季は札幌が優勝した。

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2008年12月9日のニュース