イチローWBC連覇へ ヤングレオに注目

[ 2008年12月9日 06:00 ]

WBCについて熱い思いを語ったイチロー(左)と、投手リーダーに指名された松坂大輔

 マリナーズのイチロー外野手(35)が共同通信のインタビューに答え、来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への思いを吐露した。日本一を達成した西武の岸、片岡、中島らの名前を挙げ、若手選手との融合を図ることがWBC連覇へ不可欠と判断。その上でレッドソックスの松坂を投手陣のリーダーに“指名”した。

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 来年3月5日のWBC開幕まで3カ月。連覇へ向け、チームとしての意思統一をどう図っていくか。イチローはまず、投手陣のリーダーに松坂を“指名”した。
 「今回は上原がいません。彼の存在に代わる選手がいるとすれば(松坂)大輔でしょう。後輩から見て頼もしく、心強い存在になるためには絶対に実績が必要です」
 上原が代表からの引退を表明した現状で、投手陣をまとめられる存在は前回06年の第1回大会でMVPを獲得するなど飛び抜けた実績を持つ松坂しかいない。さらにイチローは「(実績を)残しながらも、本人は数字とは別のところで闘っている。その姿がまた、いい」と語った。数字を超越し自らの野球へ取り組む姿勢も、先頭に立つ資質があると感じている。
 野手のイチロー、投手の松坂が精神的支柱になる。だが2人に頼り切ったチーム編成では勝ち抜けないとイチローは考えている。「戦う前、最初に軸となる存在をつくった方が簡単に見えますが、最初に形をつくることの方がリスクが高いと僕は考えている。戦っているうちに、そういうものが自然に生まれてきて、いい流れができる」。そこには若手選手との融合への意識が働いている。
 日本シリーズをテレビ観戦し、若手選手の力に目を見張った。「この選手と一緒に戦うのかな、と勝手な想像を膨らませながら見ていた。野手で目についたのは(西武の)片岡と中島の2人、ピッチャーでは岸。あとは(日本シリーズに出なかった)ダルビッシュでしょう」。15日の45人の代表候補選手発表を前に、あえて4選手の名前を口にした。彼らの力を最大限に発揮させることがチーム力向上につながる。
 それは11月に電話会談した原監督のチーム構想とも一致している。「この世界は10年たつといろいろなものが変わる。これからの日本球界のトップに立つ彼らが、どう野球に取り組み、どんなことを考えているのか、興味がある」と積極的に対話する考えも明かした。
 若手と同じベクトルで連覇を目指す。「まずアジアで勝たなくてはいけない」とした上で「守る、ではなく、奪いにいく。この差は大きい」と大会に臨む心構えも語ったイチロー。絶対的な影響力を持つ背番号51は、侍ジャパンが進むべき方向性を示した。

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2008年12月9日のニュース