松坂“首振り”連発も単独トップ8連勝

[ 2008年5月24日 06:00 ]

<レッドソックス・ロイヤルズ>6回、1打同点の場面でグルジラーネクの強烈なライナーをグラブで止める松坂

 【レッドソックス11-8ロイヤルズ】レッドソックスの松坂大輔投手(27)が22日(日本時間23日)のロイヤルズ戦で開幕8連勝をマークし、ハーラー単独トップに立った。控え捕手との呼吸が合わず“首振り”を連発。6四球と苦しみながらも5回2/3を6安打3失点で、チームを今季初の7連勝に導いた。昨年からの9連勝は日本人最多。メジャーでただ1人の今季登板試合チーム全勝となった松坂は、次回予定の27日のマリナーズ戦でイチローとの今季初対決に臨む。

 マウンド上ではポーカーフェースを身上とする松坂がプレートを外して苦笑いした。5回、2点を返されなおも2死二塁。カラスポへのカウント2―1からの4球目のサインが決まらない。4度首を振っても投げたい球種が出なかった。初バッテリーを組んだキャッシュと最後までかみ合わず、5回2/3で降板した。

 「試合前はいい気分転換になるなとあまり気にしていなかったですけど、思ったよりも苦労しましたね。もう少し話し合っておく必要があった」

 正捕手バリテックの休養を伝えられたのは球場に来てから。オープン戦も含め1度も実戦でのコンビのないキャッシュとは試合前、サインの確認と球種の使い方の“基本”を確認したという。しかし、球種の豊富さに加え、今季の松坂は試合の中で軸になる球種を探し、その球種を中心に組み立てる。特定の投球パターンはなく、キャッシュも「彼の投球をつかむのに苦労した」と語った。

 4回終了後、松坂はそれまで1球も投げていなかったチェンジアップを左打者に使うよう求めた。回を追うごとに首を振る回数が増え、5回は13度首を振り、6度プレートを外した。「去年よりも打者の全体的な特徴が頭に入っている。そこから少し違うものが出ているんじゃないですか」。2本の満塁弾と援護もあったが、苦しみ抜いた今季最多の118球に成長の跡がある。

 開幕8連勝でハーラー単独トップに立った。今季の規定投球回に達した投手で無敗はシャコン(アストロズ)と2人だけ。前日に9戦9勝だったダイヤモンドバックスのウェブが負けたため、登板試合のチーム全勝は松坂1人となった。昨年からのチーム連勝は12。最近は“負けない男”にあやかろうと、松坂の体に手を触れてから試合に臨むナインが増えてきた。

 「良くない状態が続いている。必ず自分の中で消化したい」。10試合で40四死球は両リーグワースト。不敗記録を続ける松坂だが、制球難を克服しなければ、会心の笑みにはなれない。

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2008年5月24日のニュース