ジャンボ尾崎さんは「お金で動く人ではなかった」 用具メーカー元担当者が語る知られざる素顔
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きょう23日は、昨年12月に78歳で亡くなったジャンボ尾崎さんの月命日である。存命であれば、あすの24日は79回目の誕生日だった。国内外で通算113勝を挙げ、12回の賞金王に輝いた尾崎さん。驚くべきは、40代以降に63勝も挙げていることだ。アスリートとして下り坂の時期に、逆に強さを増した秘訣(ひけつ)は、その研究熱心さと日々のトレーニングのたまものだろう。一方でギターやワイン、盆栽、刀剣と多趣味な人でもあった。そんなジャンボさんの知られざる一面を、家族同然の付き合いで見守ってきた元ブリヂストンスポーツの田中徳市氏(法大ゴルフ部監督)に語ってもらった。
「お金で動く人ではなかったですね」。そう話す田中さんには、忘れられない思い出がある。
1980年代後半から90年代にかけての第二次全盛時。田中さんは当時、ブリヂストンスポーツの担当者だった。
80年代前半の低迷期を脱して復活をとげたジャンボさんと同社は新たなブランド「J’s(ジェイズ)」を立ち上げ、クラブ、ウエア、シューズなどの商品は売れに売れた。年間の売上高は300億円を超えていたといわれている。
その契約更新のときのこと。田中さんは、ジャンボさんから「おまえたちは俺の価値をどう思っているんだ?」と尋ねられた。田中さんは「正直、あなたにいくら払えば良いのか分かりません。我々が提案できるのはこの金額です。それでお願いしたいです」と頭を下げた。
当時の人気や売り上げからすれば、ジャンボさんが契約金の上積みを求めてもおかしくなかった。
だが返ってきた言葉は「おまえたちが“これで”というなら、俺が“あといくらくれ”とは言えない。これで良い」だった。そして、こう続けたそうだ。
「俺は賞金で飯を食っている。おまえのところの契約金で食っているわけじゃないからな」
ジャンボさんにとって、副業の収入はあくまでもあぶく銭。自分や家族が生活するための糧は試合で稼ぐ。それが勝負師。だからお金のために意に反することを行ったり、自分の生きざまを変えることはしない。その姿勢は最後までブレることはなかった。
1997年にタイガー・ウッズが初来日し、テレビマッチが行われた時もそうだった。当初、ウッズの対戦相手の有力候補はジャンボさんだった。主催者サイドから交渉役を依頼された田中さんはそのオファーの額を聞いて驚いた。
「5000万円くらいだったと思います。凄い金額でしたから、最初は(ジャンボさんも)受けるかなと思いました。でも翌日に返事を聞きにいくと“いまさらタイガーとできないだろう”と断られました。普通なら受けてもおかしくない額だったと思います。でもあの人はお金じゃない。理由は言われませんでしたけど、タイガーの引き立て役になるようなエキシビションの試合にのこのこ行けるか、という日本のゴルフ界をリードしてきた男のプライドだったと思います」と振り返る。
シニアの試合に対する姿勢も生涯変わらなかった。ジャンボさんは60代になってからも、レギュラーツアーでの勝負にこだわった。田中さんによれば、シニアツアーに10試合出場すれば、1億円のギャランティーを保証するという話もあったそうだ。
だが、決して首を縦に振らなかった。お金よりも自分の信念を貫くことにこだわった。
晩年は武士道に関する本をよく読んでいたそうだ。若い頃の趣味はギター。その後、ワインにはまり、自宅にワインセラーも設けた。次にとりこになったのが盆栽。そして最後は刀剣だった。
「刃文を見れば刀工が誰か分かったそうです。そういうお店に行くと、飽きずに何時間もいたそうです。自分では“熱しやすく冷めやすい”と言われていましたが、夢中になって突き詰めていくエネルギーは凄かった。そういう性格だったからこそ、ゴルフ界であれだけのことをやってのけたのだと思います」
人一倍の研究熱心さと努力で、一時代を築いたジャンボさんの経験と知識は、後進の指導にも生かされた。弟の健夫、直道、飯合肇、東聡、金子柱憲らを育て上げ、90年代には賞金シード選手の全体の1割をジャンボ軍団が占めるという圧倒的な実績を残した。
スランプに陥っていた羽川豊や川岸良兼に救いの手を差し伸べ、晩年は女子プロの原英莉花、西郷真央、佐久間朱莉らの師匠としても存在感を放った。
ジャンボさんがいた時代は、まさに日本のゴルフ界の黄金期だった。
「自分はそういう人と一緒に、良い時代を過ごすことができて本当に幸せでした」。田中さんはジャンボさんと出会い、親しく交流させてもらったことに心から感謝していた。
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