工藤公康氏の長女・遥加 15年目で涙のツアー逆転初優勝!プロ転向後史上2位の遅咲きV

[ 2025年3月31日 04:45 ]

女子ゴルフツアー アクサ・レディース最終日 ( 2025年3月30日    宮崎県 UMKCC=6538ヤード、パー72 )

初優勝を決めた工藤遥は満開の桜の前で喜ぶ (撮影・西川祐介)
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 プロ野球ソフトバンク元監督の工藤公康氏(61)を父に持つ工藤遥加(32=加賀電子)がプロ15年目で悲願のツアー初優勝を飾った。首位と1打差の3位で出て5バーディー、ボギーなしの67で回り通算10アンダーで逆転した。プロ転向から4991日での初Vは88年のツアー制施行後では鬼沢信子の7242日に次ぐツアー史上2番目の遅咲き。偉大な父を持つ大器がついに大輪の花を咲かせた。

 2メートル弱のウイニングパットを沈めた時は笑顔だった工藤が父のことを聞かれると声を詰まらせた。「ふがいない娘で申し訳ないという気持ちだった」。21年、父・公康氏がソフトバンク監督を退任した。母・雅子さんが「次に何をしたいか書いて」と紙を渡すと「遥加を勝たせたい」と記した。その文字が脳裏に焼き付いている。「絶対優勝して喜ばせたいと思っていた」と涙をこぼした。

 父は西武などで通算224勝を挙げた左腕。監督では5度日本一になった名将だ。「雲の上の人」。今でこそ笑えるが、壮絶な紆余(うよ)曲折があった。アマ時代に「プロになりたい」と告げると「アルバイトして費用は自分で稼げ」と突き放された。ツアーで結果が出ず、父に「勝ち方を教えてください」と懇願すると22年はコーチとして指導を受けた。だが同5月の大会で衝突し、その後は別のコーチをつけた。

 公康氏はアドバイザーに肩書を変え「父親として意見をもらうようになった」と言う。今季開幕前に練習場でスイングを見てもらった。「いい球は打っている。距離の落とし方を磨けばいい」と助言され「それをずっと練習し役に立った」。持ち味の飛距離に加え、4、5番では2打目を1メートル以内につけるショット力を見せ、初Vへ加速した。

 23年オフにはソフトボールの強豪ビックカメラの沖縄合宿に参加した。ハードな練習をこなし「ここまでやんなきゃ駄目なんだと思った」と初めてプロ意識が芽生えた。同年5月に下部ツアーで初優勝。今では1時間のランニングが日課となっている。ビックカメラ部長で日本代表の宇津木麗華監督からは「人は春咲く花、夏咲く花、秋咲く花、冬咲く花、いろいろだから自分はいつかなと楽しみにしておくといいよ」と言葉をもらい、今も胸に刻んでいる。

 プロ転向から実に4991日をかけて開花した遅咲きの花。「自分のつぼみを大切に育ててきた。50歳まではレギュラーツアーで頑張りたい」と工藤。48歳まで現役を続けた父と同じ息の長い競技人生を思い描いている。

 ☆経歴&家族 1992年(平4)11月18日生まれ、埼玉県所沢市出身の32歳。東京・日出高出。1メートル71、65キロ。父は元プロ野球ソフトバンク監督の工藤公康氏(61)、母は雅子さん、兄の工藤阿須加(33)は俳優。

 ☆ゴルフ歴 12歳の時にゴルフを始める。11年7月のプロテストに一発合格。同年12月の新人戦加賀電子カップ優勝。23年5月ツインフィールズ・レディースで下部ツアー初優勝。

 ☆飛ばし屋 昨季平均飛距離は250.06ヤードで15位。「弾道測定器で測ったら260ヤード」

 ☆おばあちゃん プロになるための資金援助をしてくれたのは祖母・和子さん。「高校時代の遠征費も全部出してくれた。プロにしてくれたのはおばあちゃんなので(賞金で)旅行に連れて行ってあげたい」

 ☆趣味 料理と映画、アニメ観賞。「得意料理はないけど1回食べたら再現できる」。好きな映画は兄・阿須加が出演している「ゴールデンカムイ」。好きなアニメは「俺だけレベルアップな件」。

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